小売店舗でのコミュニケーションツール活用事例|小売店のよくある課題や解決策
店舗を増やすにつれて、店舗と本部間のコミュニケーションの取り方に難しさを感じる企業が多くなります。この記事では、小売店舗をチェーン展開で経営している企業の本部勤務、経営企画、店舗運営、販売部の方に向けて、コミュニケーションにズレが生じる要因や解決策を解説します。今後の効果的なコミュニケーションのために役立ててください。
目次[非表示]
- 1.小売店舗がコミュニケーションにおいて抱えている課題
- 1.1.【本部側】店舗が指示を実施しているかわからない
- 1.2.【本部側】連絡が再度必要で手間がかかる
- 1.3.【本部側】資料の確認や集計作業に時間がかかる
- 1.4.【店舗側】指示が多すぎて業務の妨げになる
- 1.5.【店舗側】連絡手段がバラバラで内容の管理が大変
- 1.6.【店舗側】すべての従業員が指示を確認できているか把握しにくい
- 2.店舗とのコミュニケーションのズレが生まれる要因
- 2.1.スムーズに連絡を取る手段が確立されていない
- 2.2.指示や連絡の裏側にある背景を伝えられていない
- 2.3.客観的ではなく主観的な内容となっている
- 2.4.店舗内での連携が取れていない
- 3.店舗とのコミュニケーションのズレを解消する方法
- 3.1.企業としての方針を明確化する
- 3.2.情報共有のためのルールを策定する
- 3.3.店舗スタッフが使いやすいツールを用いる
- 4.小売店舗でのコミュニケーションツール活用事例
- 4.1.株式会社大創産業様の事例
- 4.2.株式会社三洋堂書店様の事例
- 5.まとめ
小売店舗がコミュニケーションにおいて抱えている課題
小売店舗を多店舗展開する場合、本部は店舗に販売戦略や販促施策を伝え、進捗の確認などを行います。一方、店舗は本部に売上の報告や指示された作業の実施報告などを行います。売上アップや品質向上を目指すには、本部と店舗間での円滑なコミュニケーションが欠かせません。
しかし、本部と店舗間で円滑なコミュニケーションを取ることは、店舗数が増えるほど難しくなり課題を感じる企業様が多くなります。
ここからは、小売業でのコミュニケーションにおいて発生しやすい課題を、本部と店舗に分けて解説します。
【本部側】店舗が指示を実施しているかわからない
小売店舗が多店舗展開をしている場合、本部から店舗への指示がきちんと実行されているかどうかを確認することが大きな課題となります。特に、商品のディスプレイ変更やキャンペーンの実施など、店舗ごとに実施状況が異なる場合、本部としては各店舗が指示通りに行動しているかどうかを把握するのが難しいです。これにより、指示の実行状況を確認するために、何度も電話やメールでのやり取りが必要となり、非効率的な業務が増えることになります。
また、指示が誤解されたり、従業員に正確に伝わらなかったりすることで、意図した成果が得られないリスクもあります。本部としては、各店舗の実行状況を把握するだけでなく、店舗スタッフに対しても正確かつ効果的なコミュニケーションが求められます。
本部と店舗間のコミュニケーション課題についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
【本部側】連絡が再度必要で手間がかかる
本部と店舗間でのコミュニケーションが十分に行われていないと、同じ内容について何度も確認や再度の連絡が必要になるケースが多発します。例えば、新商品の情報やプロモーションの詳細を何度も店舗側に問い合わせる必要があると、結果的に双方にとって時間と労力が浪費されます。
特に、店舗数が増加するにつれて、このような無駄な確認作業はさらに増加し、他の重要な業務に影響を与えることになります。また、コミュニケーションの方法が統一されていない場合、一部の店舗ではメールを、他の店舗では電話やチャットツールを使うといった状況が発生し、情報が混乱する原因にもなります。これにより、迅速な意思決定が困難になり、結果として販売戦略の実行に遅れが生じることもあります。
【本部側】資料の確認や集計作業に時間がかかる
多店舗展開をしている小売店舗では、本部は全体の状況を把握するための、報告を集約した資料作成が必要です。しかし、店舗からの報告がフォーマットや媒体でバラバラであったり、手書きの報告書をスキャンして送るなどの手間が発生すると、資料の確認や集計作業が非常に時間のかかる作業となります。
このような手作業が多い場合、本部スタッフの労働時間が増加し、他の重要な業務に割く時間が減少します。また、手作業での集計作業では、ヒューマンエラーのリスクが高くなり、報告データの正確性が担保されないことも問題です。データの不正確さは、経営判断のミスにつながる可能性があるため、情報の一元管理と効率化が急務です。
続いて、店舗側の課題についても解説します。
【店舗側】指示が多すぎて業務の妨げになる
店舗側から見た場合、日々の業務に加え、本部からの指示や依頼が多すぎることが大きな課題です。例えば、新商品の陳列方法、プロモーションの実施内容、売上目標の達成に向けたアクションプランなど、本部からの指示は多岐にわたります。これらの指示が頻繁に変わったり、追加されたりすることで、現場の従業員は通常業務に集中できず、業務の効率が低下することがあります。
また、指示の優先順位が明確でない場合、現場のスタッフはどの指示に従うべきか判断に迷い、結果的に重要な業務が後回しになることもあります。このような状況は、スタッフのモチベーション低下を招き、顧客対応の質や店舗全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
【店舗側】連絡手段がバラバラで内容の管理が大変
店舗側のスタッフは、通常業務をこなす傍ら、本部からの指示や情報を確認する必要がありますが、連絡手段が統一されていないと、情報の管理が非常に難しくなります。例えば、重要な連絡がメールで送られてきたかと思えば、別の情報はチャットツールで共有される、さらには電話で口頭指示があるなど、複数の手段が混在することがあります。
これにより、必要な情報を探す手間が増え、情報漏れや指示の見落としが発生しやすくなります。また、情報が一元管理されていないため、後から確認する必要がある場合にも、過去の記録を探し出すのが困難になることが多いです。このような状況は、店舗運営の効率を低下させるだけでなく、顧客への対応にも影響を及ぼす可能性があります。
【店舗側】すべての従業員が指示を確認できているか把握しにくい
店舗には、多くの従業員が働いており、シフト制で勤務していることが一般的です。そのため、本部からの指示や連絡がすべての従業員に確実に伝わっているかどうかを確認するのは難しいです。特に、休みの従業員やシフトの関係で不在のスタッフに対して、適切なタイミングで指示が伝達されていないことがあります。
さらに、従業員ごとに情報の確認方法や習慣が異なるため、誰がどの情報を確認したのかを追跡することが困難です。このような状況では、全員が最新の指示に基づいて動けていないことがあり、店舗全体の統制が取れなくなります。結果として、店舗内での作業ミスや対応の遅れが発生し、顧客満足度の低下や売上への悪影響が懸念されます。
次は、このような課題が生まれる原因について紹介いたします。
◆本部・店舗間のコミュニケーションに課題をお感じの方にはこちらの記事もおすすめです。
店舗とのコミュニケーションのズレが生まれる要因
本部と店舗間のコミュニケーションにズレが生まれるのは、伝達手段や伝え方など、主に4つの要因が挙げられます。ここからは、店舗とのコミュニケーションのズレが生まれる要因を解説します。
スムーズに連絡を取る手段が確立されていない
スムーズに連絡を取る手段が確立されていないと、コミュニケーションにズレが生まれやすくなります。例えば、電話のほかにメールやグループウェアなど、複数の伝達手段を用いてしまうケースです。そのときによって異なる手段で連絡をしてしまうと、確認が遅れたり情報を管理するのに手間がかかったりして、スムーズに指示が伝わらない可能性があります。
また、画像や動画などが用いられていないと、内容によってはうまく伝わりません。電話は直接会話ができ、メールやグループウェアは何度も読み返せるメリットがありますが、言葉や文字だけでは伝わりにくい情報もあります。指示連絡とともに画像や動画などが簡単に確認できるように工夫することが必要です。
指示や連絡の裏側にある背景を伝えられていない
本部の指示に共感が得られるような取り組みが不十分で、指示や連絡の裏側にある背景を伝えられていないと、本部と店舗間の熱量にズレが生じてしまいます。
店舗に売上目標や指示を伝える際、数字や指示内容さえ伝えておけば、本部からの指示通り実行できる店舗もあるかもしれません。しかし、なぜその数字を目標とするのか、なぜそのような指示をしたのかなどが共有されているのといないのでは、従業員のやる気や責任感が変わってきます。
その結果、目標達成や指示の実行がなかなかできない店舗も出てきますし、本部はそのような店舗に対して「意欲が低い」と感じてしまいます。
客観的ではなく主観的な内容となっている
本部と店舗間で正しい情報を共有するためには、事実を客観的に伝えることが大切です。しかし、本部と店舗担当者がそれぞれ主観を交えて伝えると、ズレが生まれてしまいます。
例えば、売上目標を達成しなかった店舗が主観を交えて「天気が悪い日が多かったため売上が悪かった」と伝えたとします。一方、本部も主観的に「売上目標に届かない理由を天気のせいにしているが、店長や従業員の意欲が低いからではないか」と指摘したとしましょう。
すると課題の分析がかみ合わず、効果的な対策方法など具体的な話も進みにくくなります。
また、理解度には個人差があるため、同じ内容を伝えてもすべての従業員が指示を正しく理解しているとは限りません。指示を伝える人が「正しく伝わっているはず」と考え、一方的に内容を伝えるだけになってしまうと、理解度に差が生じたままとなってしまいます。
店舗内での連携が取れていない
店舗内での連携が取れていない場合も、本部からの指示が全体に伝わりにくくなります。店舗内では、本部からの指示を店長が各部門のリーダーに伝える、などの伝言ゲーム化しているケースがあります。そのケースでは店長の負荷が大きいばかりでなく、指示を伝え忘れることもあり、結局すべての従業員に伝わりきらなかった、ということが起こりえます。
店舗とのコミュニケーションのズレを解消する方法
店舗とのコミュニケーションにズレが生まれる要因はいくつか挙げられますが、工夫次第で課題を解消できます。最後に、店舗とのコミュニケーションのズレを解消する方法を解説します。
企業としての方針を明確化する
店舗とコミュニケーションを取る際は、企業としての方針を明確化して伝えることが大切です。具体的な数値を示した目標や、その目標を達成するメリットなどを織り交ぜながら伝えましょう。目標となる数値は何を根拠に導き出したのか、どのような狙いで指示を出しているのか、ビジョンを明確にしておくことで、従業員の責任感や意欲が上がりやすくなります。
企業としての方針は店長など一部の従業員だけでなく、店舗内全体に伝えることもポイントです。一人ひとりの意識が高まれば、「みんなで目標を達成しよう」という団結力が生まれて店舗全体のクオリティアップが見込めます。
情報共有のためのルールを策定する
本部と店舗で、情報共有のためのルールも策定しておきましょう。例えば、どの従業員も正確に理解できる共通言語を使う、動画や画像を取り入れて説明する、緊急時以外は連絡する時間帯をあらかじめ決めておき通常業務を妨げないようにする、といったルールが有効です。
店舗スタッフが使いやすいツールを用いる
情報伝達手段は複数のツールを使用するのではなく、店舗スタッフが使いやすいツールを用いて統一しましょう。本部スタッフ目線ではなく、店頭に立つスタッフが使いやすいツールを選ぶことがポイントです。ぱっと見で指示連絡が把握できるツールを使うことで、店長や店舗スタッフの負担も減りコミュニケーションもより円滑になります。
また、指示や連絡内容は、先述したとおり言葉だけでは正しく伝わらないケースが少なくありません。本部が店舗に作業工程を説明する、店舗から本部に修繕してほしい設備を連絡する、など言葉だけでは詳細が把握しにくい内容も、動画や画像を添えればスムーズに伝わります。それらを簡単に送れるツールを選ぶのもポイントかもしれません。
情報の抜けや漏れを防ぎ、コミュニケーションを円滑にするためには、本部と各店舗をつなぐコミュニケーションツールを取り入れるのがおすすめです。
ネクスウェイのコミュニケーションツール「店舗matic」は、本部から店舗に届いた連絡を自動的に整理したり、本部が現場の状況をリアルタイムで確認できたりと、業務の効率化を加速させる多彩な機能を搭載しています。店舗maticで本部と店舗間のコミュニケーションに関する悩みを解決しましょう。
小売店舗でのコミュニケーションツール活用事例
スタッフが使いやすいコミュニケーションツールを活用することによって、小売店舗でありがちなコミュニケーションにおける課題を解決することができます。
ここでは、コミュニケーションツール「店舗matic」をお使いいただいた事例を通じて、どのようにしてコミュニケーションの改善を実現し、業務効率の向上を果たしているのかをご紹介します。
株式会社大創産業様の事例
100円ショップ「ダイソー」を主として、国内外5,000店舗以上の出店実績を持つ株式会社大創産業様。
これまで、複数のコミュニケーションツールが混在しており、本部やSVからの指示が分散し、コミュニケーションコストが増加していることや、指示の形式がバラバラでタスクの期日や優先順位が分かりづらく、回答の漏れや遅れが出てしまうという課題がありました。
本部側でも、店舗側の作業の進捗状況が見えにくいことや、問い合わせ対応や回答の遅れ・漏れに対するリマインドの業務負担が大きいという課題があったようです。
そこで、ネクスウェイの「店舗matic」にツールを一元化したところ、タスク管理の負担が軽減し、作業の実行性が向上しました。本部側も進捗確認の管理がしやすくなり、問い合わせ対応も激減しました。
詳しい事例は、以下のリンクで詳しくご確認していただけます。
株式会社大創産業様
株式会社三洋堂書店様の事例
中部地方を中心に88店舗の書店を展開する三洋堂書店様。
これまで、キャンペーン企画や棚作りの指示書を郵送で店舗に送り、指示書通りにオペレーションできているかは、複数店舗を管理するブロックリーダーが直接確認していました。
店舗maticを導入した後は、ブロックリーダーはオフィスに居ながらすぐに確認ができるようになり、実施率は99.5%を超えました。また、ブロックリーダーの移動の時間が削減され、個店の状況に応じた企画立案や創意工夫の時間が生まれました。
詳しい事例は以下のリンクで詳しく確認していただけます。
コミュニケーション改善事例 株式会社三洋堂書店様
まとめ
多店舗展開を経営している企業は、コミュニケーションにおいて本部と店舗それぞれが課題を抱えているケースも珍しくありません。本部と店舗間のコミュニケーションにズレが生まれる要因はさまざまですが、企業としての方針を明確にしたり情報共有のルールを策定することで対策できます。
株式会社ネクスウェイでは、チェーンストア企業様向けの情報通信サービスを提供しています。本部と店舗間のコミュニケーションや業務効率化などの課題を解決するツールとアプリを用意し、10年以上にわたり提供してきました。
本部と店舗間のコミュニケーションにお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。
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