スーパーマーケットの店舗管理業務を効率化する方法とおすすめツール
スーパーマーケットの店舗管理は、一般的な小売店に比べて複雑です。多店舗展開している場合は、より効率的な店舗管理が求められます。しかし、店舗側・本部側の双方が課題を感じているケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、スーパーマーケットの店舗管理業務や課題、効率化の方法を解説します。おすすめのツールも紹介しているため、店舗運営や経営企画の担当者はぜひ参考にしてください。
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そもそも店舗管理とは?
店舗管理とは、店舗責任者が店舗を円滑に運営するために実施する管理業務です。具体的には、商品管理、売り場管理、情報管理などが含まれます。スーパーマーケットは扱う商品数が多く、組織の規模も大きいため、管理すべき要素は多岐にわたります。
チェーンストアでは、店舗・本部間の連携も重要です。店舗と本部のコミュニケーションに問題があるとスムーズな店舗運営ができません。
スーパーマーケットにおける店舗管理業務
ここでは、スーパーマーケットに求められる主な店舗管理業務を解説します。
顧客対応管理
顧客対応管理は、スーパーマーケットのメイン業務です。具体的には、接客、クレーム対応、地域ニーズの把握などが含まれます。チェーンストアでは、接客マニュアルの管理も重要です。親切でどのお店でも気持ちの良い接客を提供できればブランド力が上がり、顧客の安心感・満足度も向上します。
良い顧客対応が適切に評価される仕組みづくりや、クレームやヒヤリハットなどのトラブルを共有して接客マニュアルを定期的に見直すことも求められます。
売り場管理
売り場管理とは、商品を陳列し売れる売場を展開することです。具体的には、陳列棚の整理整頓や値札管理、POP作成・掲示、商品の補充などが含まれます。照明の明るさや清潔感、魅力的なディスプレイも重要です。売り場管理の良し悪しは、売上に大きく影響します。
バックヤード・施設管理
バックヤードや施設を安全・衛生的に管理する業務です。自動ドアや玄関マット、通路、トイレ、カートなど、顧客の目に触れる施設や備品をこまめにチェックして、清潔・安全に保ちます。
バックヤードの整理整頓や清掃、不用品の処分なども重要な業務です。バックヤードが片付いていないなどの不十分な管理では、在庫のずれが起きたり思わぬトラブルにもつながり信用問題に発展しかねないため、気を抜けません。
商品管理
商品の仕入や在庫を管理する業務です。売上を随時チェックしてタイムリーに発注・仕入を行い、必要な商品を過不足なくそろえます。
品質管理、賞味期限のチェックも重要です。
スーパーマーケットは扱う品目が多いため、商品管理が複雑化するケースが珍しくありません。ECサイトとリアル店舗の両方を運営している場合などでは、商品管理の難易度がさらに上がります。
組織・作業管理
組織を円滑に運営するためのマネジメント業務です。重要事項の伝達、目標確認、業績評価はもとより、スタッフへの作業指示、作業割当、作業方法の改善、OJTなども含まれます。
店舗には本部からの指示や連絡が頻繁に届くため、情報を的確に把握して必要な作業を漏れなく行う必要があります。
情報管理
商品ごとの売上や在庫の状況、売価、売れ筋商品、客数、顧客ニーズなどの情報を管理する業務です。パソコン業務がメインで、日報・報告書の作成、伝票・日割り予算の入力、本部・現場スタッフとの報連相などが含まれます。情報量が多いと担当者の負担になりやすく、売場に立てないなどの弊害も珍しくありません。
予実管理
売上の目標(予算)と実績を管理する業務です。日々の売上やコスト、ロスの原因などを分析して、業績アップにつながる企画・施策を考えます。
スーパーマーケットでは店舗全体の売上のみではなく、精肉、水産、ベーカリーなど部門ごとの売上チェックも重要です。天候や地域のイベントなども客足に影響するため、こまめな情報収集とデータ管理が求められます。
人事・労務管理
人材に関する管理業務です。具体的には、勤怠管理や給与管理、シフト管理、人材採用などが含まれます。
スーパーマーケットの業務遂行には、多くの人材が必要です。しかし、日本の労働力不足は深刻化しています。離職を防いで円滑に店舗を運営するためには、スタッフのスキルやモチベーションを管理・向上させる取り組みも欠かせません。
スーパーマーケットの店舗管理に関する課題とは?
スーパーマーケットの店舗管理に関する課題を、店舗側と本部側に分けて解説します。
店舗側の課題
店舗側が抱える最大の課題は、管理業務が多すぎて予実管理や顧客対応などのメイン業務に取り組む時間が十分に取れないことです。
株式会社ネクスウェイが2021年に実施した調査によると、店長が業績を上げるために最も増やしたい業務は「予実管理」で、66.7%を占めました。「顧客対応」「情報管理」も上位にランクインしています。
一方、店長が減らしたい業務は、「人事・労務管理」や「組織・作業管理」です。人材管理・作業管理の負担が重すぎる場合は、早急に効率化しなければなりません。
本部と店舗間のコミュニケーションも課題の一つです。情報が多すぎたりわかりにくいなどの要因から、情報の見逃しや報告漏れ、作業漏れなどが起こる可能性があります。
ネクスウェイの詳しい調査結果については以下の資料をご覧ください。
※参考:スーパーマーケット業界向け調査レポート ~店舗で働く正社員200人に聞く~ 本部店舗間および店内コミュニケーションに関する実態と課題2|株式会社ネクスウェイ
本部側の課題
本部側の課題は、それぞれの店舗が抱える課題や状況を把握しにくいことです。逆に、店舗から上がってくる情報が多すぎて、処理が追いつかない場合もあります。
下記のような課題も放置できません。
・店舗に指示を出しても的確に伝わっているかどうか確認できない
・売り場づくりのイメージを現場に伝えにくく再現性が低くなる
・臨店の時間・人材を確保できない
本部の部署間で情報共有ができていないケースも問題です。各部署が別々に指示や業務連絡を出すと、現場スタッフが混乱します。
スーパーマーケットの店舗管理業務を効率化するには?
スーパーマーケットの店舗管理業務を効率化する方法を解説します。
1.現状の課題を把握する
まずは、本部側・店舗側ともに業務内容・業務フローを洗い出して、現状を把握しましょう。さらに、売上アップや効率化のネックになっている課題を明確にします。例えば、「情報処理や人事管理に時間がかかりすぎる」「本部の指示がわかりにくい」などが挙げられます。
課題が明確になったら、優先順位を付けましょう。重要度が高い課題から優先的に取り組む必要があります。
2.目標を明確にする
課題を解決するための対応策を検討します。KPI(重要業績評価指標)を設定して、目標を明確にしましょう。KPIとは、目標達成の度合いを数値で表す指標です。施策実行前と実行後の数値を比較すれば、施策の効果を客観的に評価できます。
効果が出ていない場合は別の施策を検討する、施策を改善するなどして、結果が出るまでスピーディーにPDCAサイクルを回しましょう。
3.ソリューションを検討する
具体的なソリューションを検討します。重要度が高いと決めた課題を解決できるものを選びましょう。目的なくソリューションから先に検討してしまうと、効果的に使えず定着も難しくなります。
ビジネスの環境変化が早い今の時代はSaaS(Software as a Servic)を使うことがおすすめです。経営実行スピードを高めるためにも導入に時間のかからないSaaSは大きなメリットがありますし、SaaSがすでに定義するベストプラクティスをすぐに使えるという大きな利点もあります。
SaaSには多くの種類があるため、どの課題をどのように解決したいのかという定義づけを行ってから、自社にあうツールを選びましょう。
スーパーマーケットにおすすめの店舗管理ツール
ここでは、株式会社ネクスウェイが提供するチェーンストア向けの店舗管理をサポートするツールを紹介します。
店舗matic
本部と店舗をつなぐコミュニケーションツールです。自然と店舗側の業務が効率化され、スタッフが主体的に業務に取り組む環境づくりをサポートします。
主な機能やメリットは、以下のとおりです。
・店舗スタッフのToDoリストを自動生成
・本部が指示した作業の進捗状況をリアルタイムに確認、現場をタイムリーにサポート
・アンケートやデータの集計機能、共用カレンダー機能、ワークフロー作成機能、など多彩な機能
売場ノート
ワンタップで売場写真を撮影・報告、売場づくりをスピーディに支えるアプリです。
主な機能やメリットを、以下で紹介します。
・売場写真をスマートフォンで撮影するだけで、自動で本部に送信されます
・本部担当者は改善ポイントを直接画像に書き込んで、ビジュアルでわかりやすく店舗に返信
・売場写真を店舗間で共有できるので、ナレッジ共有にも
・催事売場やVMD指示の再現性を即時に確認
まとめ
スーパーマーケットの店舗管理は範囲が広く、日常業務の遂行で手一杯という人もいるでしょう。店舗管理に課題を感じられるようでしたら、業務効率化や店舗運営のDXに取り組んでみてはいかがでしょうか。
株式会社ネクスウェイは、チェーンストア企業の「らしさ追求DX」を実現するため、コミュニケーション観点からの業務改革をお手伝いしております。本部・店舗間のコミュニケーションや売り場づくり、臨店などの課題を解決したい企業は、ぜひご相談ください。