店舗運営の業務内容とは|課題と業務効率化のポイントを事例とともに解説
ビジネスを安定的に継続させるためには、日々の店舗運営を適切に進める必要があります。
この記事では、店舗での店舗運営の内容や課題などについて解説します。業務効率化の事例についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
↓↓店舗運営の課題がわかる!改善ポイントがわかる!↓↓
目次[非表示]
- 1.そもそも店舗運営とは
- 2.店舗運営の主な業務内容とは
- 3.店舗運営における課題とは
- 3.1.人手不足による業務負荷
- 3.2.本部の店舗運営部の指示がうまく反映されていない
- 3.3.本来の業務に時間がさけない
- 4.店舗運営の業務効率を改善するポイントとは
- 4.1.業務フローを見直す
- 4.2.ナレッジを共有する
- 4.3.必要に応じて店舗運営をサポートするシステムを利用する
- 5.店舗運営を効率化した事例
- 5.1.情報確認の負荷を大幅に軽減し効率化した事例
- 5.2.コミュニケーションルールの徹底で接客やお店創りに集中できる環境を実現した事例
- 5.3.本部から店舗へ届く膨大な情報処理の業務を大幅に軽減した事例
- 6.まとめ
そもそも店舗運営とは
店舗運営とは、店舗全体についてヒト・モノ・カネをマネジメントすることです。店舗全体を管理する必要があるため、業務内容は多岐にわたります。たとえば店の演出、開店・閉店業務、接客業務、仕入管理、売上管理など幅広い業務が含まれています。店舗運営は、店長の指示に従ってスタッフが具体的な業務を進める場合が多く、店長は大きな責任を担います。
店舗運営を成功させるには、スタッフだけでなく顧客にも目を向けなければなりません。顧客が何を求めているか考慮しつつ、店舗を整備する必要があります。
店舗運営の主な業務内容とは
店舗運営にはさまざまな業務内容があります。ここでは、店舗運営の具体的な業務内容について解説します。
店の演出
店の演出とは、レイアウトや陳列方法などを表しています。店内の商品に興味をもってもらうには、店づくりを工夫する必要があります。単に整然と商品を並べるだけでなく、顧客の注目を集められるようなPOPを配置したり、演出をすることが大切です。店舗の外からも商品が見えるようにしたり、季節感を演出することで、入店する顧客を増やせます。
店の演出は来店客を増やし買い上げ率を上げるため、売上にも直結する非常に重要な業務のひとつと言えるでしょう。
開店・閉店業務
開店業務は、その日の営業を始めるために行います。具体的には、店舗内外の掃除やレジの立ち上げ、商品のチェックなどを行い、顧客を迎え入れる準備を整えます。スタッフ全員で行う朝礼なども実施します。
閉店業務は、その日の営業を終えるための業務です。1日の売上金を確認したり、セキュリティのチェックを行ったりします。閉店業務には金銭を取り扱うことも多く、特に責任をもって対応しなければなりません。
接客業務
接客業務は、営業中に発生する顧客とのやり取りすべてが該当します。たとえばレジ打ち、店舗内の巡回なども含まれます。どのような業務を担当する場合も、顧客に対して丁寧な言動を意識する必要があります。一般社団法人全国スーパーマーケッ ト協会と淑徳大学地域連携センターとの共同研究 である WEB モニター調査結果によると、店舗での経験価値が価格以上に消費者に影響を与える、という結果が示唆されています。
特別な体験でなくても、顧客へ「いらっしゃいませ」と明るく声をかけるようなちょっとしたことが大切です。
仕入管理
仕入管理は、仕入れに関わる一連の業務を管理します。商品を発注し、商品が届いたら発注のデータと照らしあわせ、正しく仕入れられているか確認します。
また、商品をなるべく安く仕入れるために工夫したり、最適な仕入れの時期を検討したりすることも重要な業務のひとつです。その地域性にあった商品を選んだり、イベントに合わせて発注数を増やしたりと、差別化の大きな要素となるため非常に重要です。
売上管理
売上管理では、店舗全体の売上を正確に把握したり、売上について分析したりします。各店舗では、1日、1週間、1ヶ月、1年などの単位で売上の目標を決め、目標を達成するためにさまざまな取り組みをしています。売上が上がったり下がったりした場合は、その要因を探って次へ活かしていきます。
売上管理においては、単に売上を把握するだけでなく客数や客単価などについてもチェックします。さまざまな角度から売上を分析し、さらに売上を伸ばすために必要な施策に取り組みます。
人材管理
人材管理とは、スタッフのシフト調整、勤怠管理、採用、教育、評価などを行うことです。シフト調整では慢性的な人手不足のなか、それぞれのスタッフの都合を確認し、スムーズに営業できるように調整する必要があるため、負担に感じられることも多い業務です。
正社員以外にパートやアルバイトがいる場合は、採用活動も頻繁に発生する可能性があります。また、スタッフが適切に業務をこなせるように教育し、業務の成果を評価することも人材管理に含まれます。
在庫管理
在庫管理は店舗の在庫状況を把握し、商品を補充するための業務です。売上を最大化するには、顧客が商品を欲しがっているにもかかわらず、商品がないという状況を避けなければなりません。そのためには、常に在庫状況を把握しつつ、適切なタイミングで補充できるようにすべきです。
また、在庫管理では、売れ残っている商品や販売できなくなった商品を廃棄する場合もあります。必要以上に在庫を抱えないように調整することも在庫管理の仕事のうちです。
これらの業務の効率化と制度を上げるために、カメラソリューションを取り入れる企業も増えています。カメラソリューションのなかには、画像データとAIなどを組み合わせ、販売ロスや廃棄ロスを防ぐ取り組みなどが始まっているものもあります。
販売促進活動
店舗の売上を上げるためには、販売促進活動も重要です。本社で施策を計画する場合が多いのですが、インストア・プロモーションなどお店独自で実施することも多くあります。
インストア・プロモーションとは、店舗内で商品を効果的に販売するために、店内で行う販売促進活動です。POPやディスプレイ、陳列、クロス・マーチャンダイジング、VMD、試食、デモンストレーション販売、店内放送などさまざまな方法が含まれます。
店舗運営における課題とは
店舗運営においては課題もあります。ここでは、具体的にどのような課題があるのか解説します。
人手不足による業務負荷
小売業は慢性的な人手不足の状態にあります。特にスーパーマーケットのように部門が多い店舗運営の場合、部門によっては専門性が必要になるため、役割がはっきりと分かれており人員の流動性が低いことが一般的です。業務の属人化がなおさら人手不足感を強める要因となっています。少ない人数でシフトを回すことで従業員の負荷増え、従業員満足度の低下を招く可能性があります。
本部の店舗運営部の指示がうまく反映されていない
店舗運営部の主な役割は、各店舗のバックアップです。商品部が考えた戦略を店舗で実践させ、売り上げの拡大を狙っていきます。
なかには本部と各店舗のコミュニケーションがうまくいっていない場合もあります。そのような状況では、せっかく立てた計画も実施されず、成果が出にくくなる可能性があります。また、本部が各店舗の様子を正しく把握できず、適切な対応もできません。指示は実行されて初めて意味を成します。相互にストレスのないコミュニケーションの仕組みを考えることが必要です。
本来の業務に時間がさけない
店舗運営の業務には欠かせない大切な事務作業が多いことは事実です。具体的には、日報や週報の提出、閉店後の売上確認、台帳記録、本部への連絡などさまざまな事務作業があります。ですが、事務作業に多くの時間がかかると、店頭に立つ時間が削られ、本質的な業務に時間が割けなくなる恐れがあります。事務作業を効率化するには、業務の棚卸を行い、その結果必要であればデジタル化やツールの導入などを検討してもよいでしょう。
店舗運営の業務効率を改善するポイントとは
店舗運営の業務効率化を目指すには、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、具体的なポイントを解説します。
業務フローを見直す
煩雑な業務プロセスを改善するには、既存の業務の棚卸しを行い、業務効率化が可能な業務を仕分けすることが大切です。
ECRSの原則というフレームワークを活用することも効果的です。「Eliminate(排除)」「Combine(結合・分離)」「Rearrange(入替え・代替)」「Simplify(簡素化)」の頭文字をとり、「ECRS」と表現されています。製造業でよく使われているフレームワークですが、ECRSの原則に従って業務プロセスを見直すことで、無駄な業務を省いてシンプルな業務プロセスを実現できます。
例えば本当に本部からの業務指示を印刷することが必要なのか、一つ一つの商品にラベリングが必要なのか、など日常作業で見落としがちなことも洗い出してみることで非効率なものが見えてきます。
ナレッジを共有する
属人化している業務が多い場合、店舗運営が非効率になります。そのような状態に陥らないためには、ナレッジを共有したり、業務をフォーマット化してマニュアルを作成することが有効です。それぞれの業務の進め方やポイントをまとめ、すべてのスタッフが同じクオリティで対応できるようにしましょう。最近では動画マニュアルなどもよく活用されています。
せっかくそれらを用意したなら、誰もがアクセスしやすく共有しやすい環境を整えることも必要です。たとえば、クラウド上にアップしておくことで、時間や場所を選ばず簡単にアクセスできるようにするなどが考えられます。
必要に応じて店舗運営をサポートするシステムを利用する
店舗管理のための様々なシステムが普及しています。売上や仕入れに関するデータを一元管理できるようにするものや、人材管理のためのシステム、情報共有やコミュニケーションを円滑にするものなど、目的によって多様なものが用意されています。
ですが、ただシステムを導入しただけでは何も変わりません。現場がちょっと楽になったかな、程度の変化ではあまり意味がありません。企業のビジョンや経営方針に基づいて、店舗がどのようになっていればよいのか、何を目指すのかをはっきりさせたうえで、必要なものを取捨選択することが大切です。
システムやツールの導入によって、負担を軽減するとともに効率化を図り、よりお客様に向かう時間を確保しましょう。
店舗運営を効率化した事例
すでに多くの企業が店舗運営の変革に取り組んでいます。ここでは、店舗運営を効率化した事例を紹介します。
情報確認の負荷を大幅に軽減し効率化した事例
富士シティオ株式会社では、本部からのさまざまな連絡を各店舗の責任者へメールで送信していました。しかし、One to Oneでのやり取りのため、情報共有が徹底できていませんでした。また情報量も多く、情報の見落としや店内での共有の遅れなどが生じていました。
そこで、本部と各店舗の情報共有に特化したサービスを導入しました。導入後は、部門ごとに情報が整理されて表示される機能のおかげで、一目で必要な情報をキャッチアップ可能になりました。結果、情報処理にかかる時間を劇的に減らすことにつながりました。
▼富士シティオ様の改善事例はこちらから
コミュニケーションルールの徹底で接客やお店創りに集中できる環境を実現した事例
株式会社ビーズインターナショナルでは、店舗では”次から次へと指示が来てお客様に集中できない”という不満が、本部には”店舗がなかなか動いてくれない”という不満がありました。両者間のコミュニケーションに構造的な問題があると考え、この課題解決のためツール導入の検討に取り組みました。
本部と各店舗の情報共有のためのサービスを導入すると同時に、運用ルール10箇条を策定したことで、店舗では接客やお店創りの業務に集中できるような環境が整いました。
▼ビーズインターナショナル様の改善事例はこちらから
本部から店舗へ届く膨大な情報処理の業務を大幅に軽減した事例
株式会社ゾフ様では、本部から各店舗へバラバラのフォーマットで膨大な量の連絡事項が送られていました。そのため、理解に時間がかかりヌケ・モレなどが発生していました。また、作業にヌケ・モレの無いようにと、店長各自で付箋に書き写すなど属人的で非効率な業務が発生していました。
業務改善の一環としてコミュニケーションツールを導入した結果、一目で作業が把握できる、付箋も不要、印刷も不要など業務改善につながりました。情報処理にかけていた月間約30時間が削減できました。
▼ゾフ様の改善事例はこちらから
まとめ
店舗運営にはさまざまな業務があります。効率的に店舗運営を行うためには、複数の課題を整理し着手できるところから業務改善に取り組むことが必要です。テクノロジーやデジタルを活用し、店舗運営の中身を構築・変革することで、生産性の高い店舗の運営ができるようなります。
株式会社ネクスウェイでは、本部と店舗のコミュニケーションや業務全体をご支援するツールやアプリを提供しています。10年以上にわたりチェーンストア企業へ貢献してきました。文中で紹介したカメラソリューションや業務の見直しについて、少しでも気になる部分がございましたらぜひご相談ください。
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会社名:株式会社ネクスウェイ
部署名:販売支援事業部
監修者:安田美弥子