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店舗ディスプレイの目的とは|基本のコツや効果的な陳列方法を解説

ECの利用拡大にともない、店舗に足を運ぶ顧客は減っています。来客数を伸ばす方法の1つが、店舗ディスプレイの見直しです。魅力的な売り場は道行く人の足を止め、入りやすく買い物しやすい動線を作ることで顧客の来店につなげることができます。


ここでは、スーパーマーケットをチェーン展開する企業の、本部商品部の担当者やスーパーバイザーに向け、店舗ディスプレイの基本やおすすめの陳列方法を解説します。 特に、スーパーマーケットに効果的な陳列方法を詳しく紹介するため、参考にしてください。


店舗のディスプレイ写真をストレスなく共有!売場ノートはこちらよりご覧いただけます。

目次[非表示]

  1. 1.店舗ディスプレイを整える目的とは
  2. 2.店舗ディスプレイの基本とは
    1. 2.1.清潔感
    2. 2.2.明白さ
    3. 2.3.テーマの統一感
    4. 2.4.グルーピング
    5. 2.5.フェイシング
    6. 2.6.配色
    7. 2.7.アクセント
    8. 2.8.動線
    9. 2.9.陳列量
  3. 3.店舗ディスプレイにおすすめの陳列方法
    1. 3.1.トライアングル陳列
    2. 3.2.リピート(リピテーション)陳列
    3. 3.3.大量陳列
    4. 3.4.シンメトリー陳列
    5. 3.5.アシンメトリー陳列
  4. 4.スーパーマーケットにおすすめの陳列方法
    1. 4.1.陳列面を増やす
    2. 4.2.ゴールデンラインを活用する
    3. 4.3.配置を工夫する
    4. 4.4.吊り下げる
    5. 4.5.投げ込み(ジャンブル)を活用する
  5. 5.店舗ディスプレイで他店と差別化する方法
    1. 5.1.空間を変化させる
    2. 5.2.個性的な什器を使用する
  6. 6.店舗ディスプレイに使えるアイテムを紹介
    1. 6.1.什器
    2. 6.2.スタンド・天吊り
    3. 6.3.季節を感じられるグッズ
  7. 7.店舗ディスプレイの集客チェックリストを確認
  8. 8.まとめ


店舗ディスプレイを整える目的とは

店舗ディスプレイを整える目的は、顧客に店舗への訪問を促すためです。また、ディスプレイは視覚に訴えることで、購買意欲をかきたて、売上アップに貢献します。顧客に「商品を買いやすい」「買い物が楽しい」と思わせる店舗をつくるために、店舗ディスプレイを整えましょう。


店舗ディスプレイの基本とは

訪問客に効果的にアピールする店舗ディスプレイについて、基本的な考え方を解説します。


清潔感

店舗に清潔感がなければ、店舗をアピールする以前の問題です。まずは店舗を掃除しましょう。どんなにきれいなディスプレイでも、ショーウインドーが汚れていたり、入口付近のマットが汚れていたりする店舗に入りたいと思うでしょうか?また乱雑な店舗は印象を悪くし、ディスプレイも目立ちません。整理整頓にも力を入れて取り組みましょう。


明白さ

伝えたいメッセージが明白なディスプレイは、それだけで顧客を惹き付けます。そのためには、ディスプレイの軸がぶれてはいけません。テーマを設定すると商品をアピールする理由がシャープになり、顧客に店舗からのメッセージが伝わりやすくなります。

テーマを設定する際は、どの商品を買ってほしいのか、来客を希望するターゲットの属性・季節性の高いイベントや行事・ライフスタイルの節目などを意識しましょう。


テーマの統一感

設定したテーマに合わせた統一感を意識して売り場を作りましょう。イメージやカラーの統一は見やすさや居心地の良さを強め、顧客の購買意欲を高めます。


グルーピング

グルーピングとは、関連する商品をまとめて陳列する方法です。グルーピングされた売り場は商品がどこに陳列されているかわかりやすく、顧客は快適にショッピングできます。

1つの棚に商品を水平に並べた「水平くくり」や、平積みで商品を縦方向に並べた「垂直くくり」などは、グルーピングの一種です。また、棚の水平・垂直方向に商品をまとめて陳列する方法を「ブロックくくり」と呼びます。


フェイシング

商品のパッケージやラベルを、顧客側に向けてディスプレイする手法がフェイシングです。フェイシングでは、基本的には売れ筋商品ほど面積を広くとり、売れ行きの悪い商品ほど少なめに陳列します。売れ筋商品を多く並べるほど大勢に注目されやすく、在庫切れのリスクも防げます。


配色

ディスプレイの配色は顧客の心理状態に影響を及ぼし、売り場の印象を左右します。ディスプレイの配色を決める際は、色相環(※下図参照)を活用しましょう。色相環とは色を環状に配置したものです。色相環の隣り合う色同士を使うと統一感が増し、落ち着きある売り場になります。一方、色相環で向かいあう色同士を選ぶと、目立つ売り場になります。


アクセント

アクセントをつけると、注目してほしい商品を目立たせられます。POPをつける、台の上に置いて高さを出す、少し前に出すなどで、メリハリをつけて陳列しましょう。


動線

売上向上のためには、動線づくりが重要です。例えば、通路を広く確保して買い物しやすい環境を整えると、顧客満足度が向上します。また、店舗の奥まで顧客に誘導するほど、多くの商品を見てもらえます。POPで店舗奥を目立たせる、奥の商品が見えるよう配置を考えるなどの工夫をしましょう。

入口付近の動線も考えるべきです。外から店内が見渡せ、出入りでぶつかることなく入店できるように、開放的な配置が求められます。


陳列量

店舗や商品のイメージ・コンセプトに応じて、陳列量を調整しましょう。陳列量により、顧客から見た売り場の印象は変わります。陳列量が多ければ、活気ある売り場である、売れ筋の商品であるなどと、顧客に印象づけられます。

ただし、陳列する量が少なくても、売り場が寂し気に見えるとは限りません。たとえば、高級感を重視する店舗であれば、陳列量を抑えて商品ごとの間隔をあけるとエレガントに見えます。


店舗ディスプレイにおすすめの陳列方法

顧客への訴求力が高い陳列方法を紹介します。テンプレート化された陳列方法を活用しましょう。


トライアングル陳列

トライアングル陳列は、高さがバラバラの商品を陳列する際に適しています。ディスプレイの中心付近にもっとも高さのある商品を置き、遠くから「山」に見えるように商品を配置しましょう。トライアングル陳列は顧客の目を引きやすく、狭いスペースでも陳列できます。


リピート(リピテーション)陳列

リピート陳列は、同じまたはよく似た商品を、向きと間隔をそろえて配置する陳列方法です。リピート陳列は遠くからでも目立つため、店舗正面に飾ると入店を促せます。また、入口から通路沿いにリピート陳列すると、店舗奥まで顧客を誘導できます。

違いがわかりやすいところも、リピート陳列のポイントです。たとえばアパレル業界ではコーディネートの異なるマネキンを並べ、着回しのバリエーションをアピールしています。


大量陳列

大量陳列は、同じ商品を大量に集める陳列方法です。大量陳列は、ホームセンターやスーパーマーケットなど、商品を大量に保有する店舗でよく使われます。棚一面に並べる、大きなトレーに山盛りにするなど、大量陳列の方法はさまざまです。

大量陳列は離れた位置からも目立ちます。また、外観が同じものが大量に並ぶ様子は壮観です。大量陳列は、好調な売れ行きを顧客に与えられ、購買への心理的ハードルを引き下げられます。新製品やディスカウント商品、イベントや行事に向けた商品などのアピールに、大量陳列を活用しましょう。


シンメトリー陳列

シンメトリー陳列とは、中心線を境に商品を左右対称に並べる陳列方法です。規則正しく商品が並べられているため、商品の売れ行きがよくわかります。また、商品の売れ具合がよくわかる点も、シンメトリー陳列の特徴です。


アシンメトリー陳列

アシンメトリー陳列は、シンメトリー陳列からすると対極的なディスプレイ手法です。アシンメトリー陳列は、中心線を境に商品を左右非対称に配置して顧客に斬新な印象を与えます。個性的な商品が魅力のセレクトショップや、高級感を出したいジュエリーショップなどでは、アシンメトリー陳列がよく用いられます。


スーパーマーケットにおすすめの陳列方法

特に、スーパーマーケットにおすすめの陳列方法について、特徴と効果を解説します。


陳列面を増やす

陳列面が多い商品ほど顧客の目に入り、手に取ってもらえる可能性が高まります。スーパーマーケットで陳列面を増やす際は、縦・横方向に商品を並べ、視認性を高めます。


ゴールデンラインを活用する

ゴールデンラインとは、店舗内でもっとも注目されやすく、商品を手に取りやすい場所を指します。ターゲットの目線の高さや、商品を置く什器の種類などで、適したゴールデンラインは変わります。


配置を工夫する

売れ筋商品の間に、思うような売上を出せていない商品を挟み込んでみましょう。売れ筋商品に視線が集まると、左右の商品も自然と注目され売上が伸びます。売れ筋商品を中心に、上下左右の商品選定を工夫してください。


吊り下げる

お菓子売り場でよく見られる陳列方法が、吊り下げ陳列です。棚の側面や壁面などのデッドスペースを有効活用でき、棚に並べにくい細かい商品を大量に吊り下げられます。


投げ込み(ジャンブル)を活用する

大きなケースやワゴンに商品を雑多に集めることを、投げ込みまたはジャンブルと呼びます。投げ込みは「まとめて〇円均一」や「商品入れ替えにつき売り尽くし」などと表示される場合が多く、お得な商品の陳列に向きます。


店舗ディスプレイで他店と差別化する方法

他店と一味違うディスプレイは、顧客が店舗に関心をもつきっかけになります。ディスプレイで他店と差別化する方法を紹介します。


空間を変化させる

ディスプレイを変更する際は、商品を入れ替えるだけでは面白みがありません。商品の配置を変えると空間に変化がもたらされ、顧客にディスプレイの変化に気がついてもらいやすくなります。


個性的な什器を使用する

個性的な什器やアイテムをディスプレイに使うと、店舗の個性を表現できます。ディスプレイそのものを楽しみに店舗を訪れる顧客もいます。店舗のイメージや雰囲気にマッチする什器を選びましょう。


店舗ディスプレイに使えるアイテムを紹介

店舗ディスプレイには、棚以外のアイテムも活用できます。商品の設置、装飾に使えるアイテムを紹介します。


什器

什器とは、商品を陳列するための設備を指します。棚やラック、ワゴンなどは什器の一種です。耐久性が強く移動しやすい什器は、頻繁に配置を変える店舗ディスプレイで重宝します。

ディスプレイのテーマによっても什器を使いわけましょう。商品を目立たせるためには、簡素な什器が適しています。一方、什器もディスプレイの一種として活用する際は、個性的なデザインの什器が向いています。


スタンド・天吊り

スタンドや天吊りは、セール価格やアピールしたい商品の告知などに便利です。スタンドは、卓上に置き、パネルなどを挟みます。置き場所の確保が難しいときは、天吊りにより告知しましょう。天井付近は視界を遮るものが無いため、遠くからでも告知に気がついてもらえます。


季節を感じられるグッズ

季節を感じられるグッズを店舗ディスプレイに採用すると、顧客の購買意欲を高めます。季節を連想させる色や、イベントにちなんだグッズを配置しましょう。

たとえば、春には桜や思わせるピンク色、夏には爽やかな青や水色が似合います。イベントについては、秋にはハロウィンを意識したパンプキンフェイス、冬にはクリスマスツリーや門松などが飾られます。


店舗ディスプレイの集客チェックリストを確認

店舗ディスプレイの見直しに役立つチェックリストを紹介します。以下のリストを見て、集客力の高い店舗に仕上げましょう。


  • ショーウインドーや看板、入口のガラスが汚れていないか
  • 入口付近から、店舗の奥まで目が届くか
  • 通路は、すれ違えるだけのスペースを確保しているか
  • ディスプレイは店舗やブランドのイメージにあっているか
  • 季節感があるディスプレイか
  • 商品にあったディスプレイか、魅力が伝わるディスプレイか
  • 顧客にとって居心地のよい空間づくりができているか
  • 顧客が商品を比較検討できるよう、グルーピングされているか


まとめ

適切な店舗ディスプレイは集客力を高め、売上を向上させます。陳列面の拡大やゴールデンラインの活用、商品配置の工夫などで、スーパーマーケットの店舗ディスプレイを見直しましょう。

また、継続的に効果的な売り場を作っていくには、店舗の陳列方法や演出方法を計画して実行したあと、その計画が成功したのかうまくいかなかったのか、成功したのであればなぜうまくいったのかなどを分析することが必要です。分析の結果は他のシーズンや店舗にも応用することができます。

分析するためには、自店の売り場を記録して蓄積することや、スーパーバイザーや商品部などが確認してフィードバックをするような売り場づくりのPDCAが重要です。その結果として、そのお店らしさとして差別化が図れ継続的に安定した利益を上げられるようになります。スピーディなPDCAサイクルを回すためには、店舗・本部も負担なく売り場写真を報告・確認する仕組みを取り入れることが必要になります。

ネクスウェイでは、チェーンストア企業向けの売場写真共有アプリ「売場ノート」を提供しています。店舗からの売場写真報告と本部のフィードバックをストレスなく行えることで、店舗ディスプレイづくりのPDCAを回すことが可能になります。また店舗の売場写真を全店舗が相互に確認できることで、他店の良い例を取り入れ自店に活かす好循環によって、全店でのディスプレイのレベル向上が期待できます。店舗ディスプレイづくりのコミュニケーションや報告チェック作業の効率化などに課題を感じられているご担当者様は、ぜひ資料をご覧ください。

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安田美弥子
安田美弥子
株式会社ネクスウェイ 販売支援事業部。 2018年3月入社。以前は直営店を多店舗展開するメーカー勤務。店舗・本部両方を経験し、小売業をITの力でもっと魅力ある業界にしたいと思いネクスウェイに入社。平日はオペラや歌舞伎鑑賞、土日は山・海に出かけ、止まれない回遊魚のような生活を送る。

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