多店舗展開を成功させるコツとは?注意点や企業が取り組むべき課題・解決方法も解説
事業が順調に進めば、売上をさらに拡大させたいと思い、店舗拡大を考えるケースも多いでしょう。多店舗展開する際には、メリットだけでなく注意点も把握し、慎重に行うことが重要です。この記事では、多店舗展開で課題を感じられている方に向けて、知っておくべき店舗拡大のメリットや課題、解決策を解説します。ぜひ、参考にしてください。
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目次[非表示]
- 1.多店舗展開とは
- 2.多店舗展開の種類と特徴
- 3.多店舗展開を行うメリット
- 3.1.売上向上
- 3.2.従業員のキャリアアップやモチベーションの向上
- 3.3.仕入れ費用のコストダウン
- 3.4.認知度の向上
- 3.5.リスク回避・分散
- 4.多店舗展開の課題
- 4.1.経費の増加に見合う売上を上げられるか
- 4.2.複雑化する経営管理にどう対応するか
- 4.3.人材の確保・育成
- 4.4.店舗同士で客の取り合いが起こる
- 5.多店舗展開を成功させるために必要なこと
- 5.1.マニュアルを作成する
- 5.2.資金面で入念な準備・検討を行う
- 5.3.店舗のDXを進める
- 5.3.1.多店舗展開におけるDXの活用方法
- 6.まとめ
多店舗展開とは
多店舗展開とは、その名のとおり1店舗だけでなく複数の店舗を展開することです。複数店舗を経営することで、売上拡大や仕入れコストの削減などが見込めます。多店舗展開にも2種類あり、「直営店展開」と「フランチャイズ展開」に分けられます。それぞれの特徴については後述するので、そちらを参考にしてください。
多店舗展開の種類と特徴
前述したように、多店舗展開は「直営店展開」と「フランチャイズ展開」があります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
直営店展開
直営店展開とは、自社で店舗を用意して、自社から人員を配置するタイプの多店舗展開です。つまり、自社と店舗スタッフの間に直接雇用関係が発生します。店舗のスタッフは自社社員となるため指示や命令権があり、管理が比較的容易にできるという特徴があります。また、店舗の売上はすべて自社のものとなり、利益が大きくなるのも特徴です。
ただし、直営店展開の場合は、店舗を出店する場所からスタッフの確保、出店に必要な投資などはすべて自社で行わなければいけません。また人件費や家賃、その他の費用なども負担する必要があり、経費負担が大きくなりがちです。
フランチャイズ展開
フランチャイズ展開とは、自社が開発した技術や仕組み、ノウハウなどを加盟店に提供して、事業運営を認める形の多店舗展開です。企業は、加盟店から加盟金やロイヤリティなどを受け取ることができます。また、直営店展開とは異なり経費負担はすべて、フランチャイズオーナーが負担します。そのため、利益率の高さが魅力です。
ただし、自社と雇用契約したスタッフではないため指示・命令権がなく、マネジメントが難しくなっています。フランチャイズ店のイメージや技術不足、ミスなどもすべて自社への評価となるため、ブランドイメージが損なわれるリスクがあります。
多店舗展開を行うメリット
多店舗展開にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、多店舗展開を行うメリットを解説します。
売上向上
多店舗展開することで、その分集客力は上がります。1店舗だけ経営している場合よりも顧客の人数が増加することが見込めるため、売上の向上につながります。
単独経営の場合には、どうしても売上に限界がありますが、多店舗展開すれば店舗数の分だけ売上は向上するでしょう。また、複数店舗経営によってブランディングにもつながるため、単純に「1店舗の売上×店舗数」だけではない、さらなる収益増加が期待できます。
従業員のキャリアアップやモチベーションの向上
多店舗展開によって、従業員のキャリアアップにつながるケースもあり、モチベーションの向上が期待できます。多店舗展開では、一人のスタッフがキャリアアップして店長や責任者などに昇進するケースも珍しくありません。真面目に仕事をし続けてスキルを磨けばキャリアアップできる、将来的な可能性が広がることは、スタッフのやる気アップにもつながるでしょう。
熟練スタッフが定着しやすくなるといった効果も見込めます。人材不足対策だけでなく、ノウハウのあるスタッフが多くいることで生産性が向上し、売上向上も期待できます。
仕入れ費用のコストダウン
店舗を複数経営する場合、単独経営時よりも多くの仕入れが必要となります。大量に仕入れをすることで、仕入れ先との値下げ交渉がしやすくなるため、全体としてのコストダウンにつながるでしょう。
また、多くの商品や原材料を仕入れることで、仕入れ先との信頼関係が深まります。よりよい関係を築くことで、値下げ交渉をしやすくなる、融通を聞かせてもらうなどの効果も見込めます。
認知度の向上
多店舗展開することで、店舗やロゴなどの自社を表すものが人の目に触れる機会が増えます。何度も同じ店舗名やロゴを見ることで、警戒心などが薄れて自社に対するイメージの向上なども見込めるでしょう。
また、認知度や知名度が向上すれば、広告に頼らずに集客しやすくなることも大きなメリットです。多くの広告費をかけずに顧客を獲得できるため、経費の削減につながり収益向上が期待できます。
リスク回避・分散
単独経営の場合、その店舗の売上が振るわなければ、そのまま赤字になってしまいます。しかし、多店舗展開していれば、1つの店舗で業績が思ったように上がらなくても、売上を伸ばしている他の店舗でフォロー可能です。そのため、倒産などのリスクを軽減できます。
また、多くの店舗のデータを収集できることもポイントです。業績のよい店舗と悪い店舗の比較が可能で、早い段階で問題点や改善点が把握できるため、トラブルなどのリスク回避にもつながります。
多店舗展開の課題
多店舗展開では、4つの課題があります。以下では、それぞれの課題について詳しく解説します。
経費の増加に見合う売上を上げられるか
店舗数が増えれば増えるほど、家賃や店内の内外装費、人件費や光熱費、設備費、仕入れ費用といった必要経費の額は大きくなります。売上が少ないと必要経費をカバーしきれずに、赤字になってしまう場合があるため注意しましょう。
多店舗展開では、経費に見合った売上が上げられることが前提です。売上が経費よりも少なければ収益は低下し、経営が苦しくなってしまうでしょう。店舗を増やす際には、綿密な資金計画を練る必要があります。
複雑化する経営管理にどう対応するか
多店舗展開は、単独経営と比べると管理が複雑化します。それぞれの店舗に適した仕入れ数、スタッフの確保・教育、コストの把握、売れ筋商品の分析やキャンペーン展開などを1店舗だけでなく複数店舗で行わなければいけないため、経営管理は複雑化してしまうでしょう。
複数店舗の経営管理がうまくいかず、業務に支障をきたしてしまうケースもあります。そのため、本部で一元管理できるシステムを導入するなど、徹底管理できる仕組み作りが必要です。
人材の確保・育成
多店舗展開する場合、店舗数が増えれば増えるほど多くの人材が必要となります。顧客が満足できるサービスを提供するには、スタッフの質や人数が重要です。スタッフが少なければ、その分対応が遅くなるため、顧客からの信頼を失う事態になる可能性もあります。
そのため、多店舗展開では人材の確保や育成は大きな課題だといえるでしょう。オーナー自らがすべて行うのではなく、マネジメントや教育などを任せられるスタッフを育てることも重要になります。
店舗同士で客の取り合いが起こる
店舗が増えていくと、商圏が重なる可能性があります。飲食店やスーパーなどの日常的なサービスを提供する店を複数店舗経営する場合、商圏が少し被せて出店する「ドミナント出店」が向いているといわれています。しかし、商圏が完全に重なっていると、店舗同士で顧客の取り合いが起こるケースもあるため、注意が必要です。
そのため、多店舗展開する際には出店エリアの事前調査が重要です。周囲の店舗の客層や回転率、立地や住民の生活動線などを参考にして、出店する場所を決めましょう。
多店舗展開を成功させるために必要なこと
多店舗展開を成功させるためには、4つのポイントを押さえましょう。ここでは、各ポイントについて解説します。
マニュアルを作成する
マニュアルには2種類あり、店長(オーナー)マニュアルと業務マニュアルがあります。店長マニュアルでは、運営や店長としての心構え、クレーム対応や労務管理、人材育成の方法などを記載します。業務マニュアルでは、従業員が日常的に行う業務についての流れや業務内容・方法を具体的に記載しましょう。
複数の店舗を経営する場合、全店通して同じレベルのサービスを提供することが重要です。そのため、業務内容をマニュアル化してスタッフで共有し、全店舗で同じような対応ができるようにしておく必要があります。
資金面で入念な準備・検討を行う
多店舗展開をする際には、現時点での収益をしっかりと把握し、店舗を増やせるかどうか検討することが重要です。新しく店舗を増やすには、物件の契約や設備の購入、仕入れや人材確保など、資金が多く必要となります。
新しく店舗を開店するにあたって借入をする場合には、入念な返済計画を立てることも重要です。すでに借入がある場合には、まだ返済していない分も合わせて、全体での返済計画を立て直しましょう。資金面は1店舗ずつではなくグループ全体のものとして捉えて、新店舗の業績がよくない場合の撤退ライン、許容できる赤字範囲なども事前に決めておくと安心です。
店舗のDXを進める
DXとは、デジタルトランスフォーメーションのことで、デジタル化によってビジネスモデルの変革を行うことです。店舗でDXを促進することで、認知度向上などのメリットがあり注目されています。以下では、多店舗展開する企業のDXについて解説します。
多店舗展開におけるDXの活用方法
DXはツールを導入して完結するものではなく、DXを推進していく中で問題解決が図れるものです。例えば、多店舗展開でDXを推進してくなかで、データやAI、IoTなどを活用し、業務効率化や単純な作業の自動化などができ、人材不足の解消が期待できます。
さまざまなデータを活用した来店予測も可能で、出店時の調査にも役立つでしょう。複雑化する多店舗展開の経営管理にも、DXは効果的です。AIとデータを活用して経営管理すれば、社員教育や勤怠管理、在庫管理などがデジタル化できるため、業務効率の向上が期待できます。
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まとめ
多店舗展開することで売上向上や認知度アップなどのメリットがありますが、経営管理は複雑化します。多店舗展開を考えるなら、DXを推進することを視野に入れて効率化できる部分から変革していくとよいでしょう。
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会社名:株式会社ネクスウェイ
部署名:販売支援事業部
監修者名:安田美弥子