【前編】キャメル珈琲様インタビュー カルディらしい店舗づくりにおいて、必要なコミュニケーションとは?
こんにちは。チェーンストア支援推進室の三摩です。
今回は、こだわりのコーヒー豆や輸入食材/酒類の販売を行う「カルディコーヒーファーム」を全国に341店舗 (2014年8月現在)展開している株式会社キャメル珈琲情報システム部の部長吉田怜史様 (以下、敬称略)に、店舗を増やしていく中でカルディらしい店舗づくりをどう実現していったのか、店舗との情報共有はどのように進めたのかお聞きしました。
はじめに「キャメル珈琲」の沿革をお聞かせください。
吉田:1977年に喫茶店にコーヒー豆を販売する焙煎業として創業しました。小売店舗「カルディコーヒーファーム」をスタートさせたのは1986年で、2012年に300店舗を達成。2014年8月の時点で全国341店舗まで拡大しています。
カルディコーヒーファームのコンセプトをお聞かせください。
吉田:コンセプトは“路地裏の宝探し”ですね。
例えば、商品を敢えて陳列棚の裏に置くなどして宝探しのワクワク感を演出し、お買い物を楽しんでもらうことを心がけています。
お店のスタッフは女性が多いですよね。
吉田:食材を扱う小売業態をはじめたときから、スタッフは店長からアルバイトまで全員女性で運営していくというポリシーが根底にありました。料理をしたりお菓子をつくったりするのは女性のほうが圧倒的に多い。
女性スタッフがお客様と同じ感覚で商品を使った感想や率直な意見を接客に反映しやすいだろうという社長の考えから打ち出されたコンセプトです。現在は全従業員が7000名強おりますが、97~98%は女性です。
御社のお店はどこを訪れても「カルディらしい活気」を感じます。店舗との情報共有で何か工夫されていることありますか。
吉田:創業時から、商品の入荷状況や新商品の紹介、その日の天気に合わせた接客のポイントなど店舗に向けたお知らせをA4用紙1、2枚にまとめて本部から毎朝FAXで送信して共有していました。
「それを見ておけば、その日の商品の流れがわかる”かわら版”」のようなものですね。お客様は社員かどうか関係なく全スタッフに対して均一のサービスを求められます。この毎日の情報をパート、アルバイトを含め従業員全員で共有しています。
順調に店舗を増やしていますが、どのようなことが課題だったのでしょうか。
そうですね。やっぱりコミュニケーションですね。2006年に100店舗。2010年に200店舗、2012年に300店舗。5年で新たに200店舗も増えたのですが、実は店舗のインフラ自体は整備が追い付いていませんでした。
FAXと電話が中心でPC自体も設置されておらず、店舗では商品情報などのFAXが、大量に流れてくることで、店舗が情報が整理出来ない、本部でも店舗に伝わったかどうか確認できない、 という課題が生じました。
その結果、特売情報、賞味期限の確認に問題が生じてしまい、食品を扱う企業として安心してお買い物をしていただける環境づくりが必要でした。
後編に続く