【後編】本部店舗間の「情報浸透度」は、なぜ高まらないのか
【2】店舗の働き方は、あなたと全く違うことを理解する
現在のあなたの1週間の働き方をすこしイメージしてみてください。
月曜日に前週の結果を受けて、今週の店舗への指示や修正事項を作成し、伝達。
場合によっては週中に店舗訪問することもあるでしょうし、火曜から木曜は商談、
という週もあるでしょう。
週中に得た情報で店舗の営業に有効なものがあった場合、あなたは
「すぐに伝えなくては!」と感じるはずです。
あるいは忙しく過ごした週の金曜日・・・自分の休日に入る前日です。
「あ!あの情報、伝え忘れてた!」急いで店舗へメールを送る、なんていうことも
あるでしょう。
・・・でも、ちょっと待ってください。
あなたがすぐに伝えなくては!と送った情報、店舗ではすぐに見られる環境にあるでしょうか。
まさにあなたが情報を送った瞬間。バックヤードのパソコンの前に人は座っているでしょうか。
あなたが伝え忘れて週末金曜日に送った情報。
週末の商戦を控えて準備に追われる金曜日の店舗で、果たして腰を据えてじっくり読まれるでしょうか。
私達ネクスウェイでは、各企業様の本部店舗間のコミュニケーション実態の把握分析・
コンサルティングを担うことも多いのですが、
残念ながら、多くの企業で最も情報発信の多い曜日は
「金曜日」
であるということが分かっています。
店舗でお客さんに向き合い、一生懸命働く店舗スタッフが今、
どんな状態で。どんな気持ちで。何をしているのか。
情報を発信する前に一度想像してみることをお勧めします。
【3】店舗は様々な情報が複数の支流から流れつく河口だということを理解する
25年間、企業のコミュニケーションに携わってきた私達ネクスウェイの社内用語に
「川上」「川下」という言葉があります。これは川上=「送り手」、川下=「受け手」を
意味するのですが、チェーンストアの場合、川上は本部、川下は店舗にあたります。
そして、本部と店舗という関係性上、実は川上は1つだけではありません。
複数の部門(支流)から様々な情報が川下である店舗に流れているのです。
あなたはあるひとつの支流から1通の情報を伝達したに過ぎないかもしれませんが、
様々な部署から出た情報は少しずつ集まり、やがて大量の情報となって店舗に押し寄せます。
川上から「きれいな水=先述の分かりやすい情報」が流せていれば良いですが、
もし本部の皆さん一人ひとりがそれを実践できていなければ・・・
店舗の方は情報の濁流にさらされてる、ということと同義でしょう。
是非きれいな水(わかりやすい情報)を送るだけでなく、
情報の総量にも本部全体として気を配ってみてください。
企業によっては、部署によって発信曜日を分ける、
ある部門が情報ディストリビューターとなり情報の量をコントロールする、等
取り組んでいらっしゃますので、参考にしてみてください。
伝えたつもりを無くすための3つのポイントを 「伝えたつもり」から「伝わって理解された」へ
明日からできることも少なからずあると思いますので、
是非少しずつでも取り入れることをお勧めいたします。