スーパーマーケットの店舗売上をアップさせるには?分析の指標や売上向上のポイントを解説
スーパーマーケットの売上をアップさせるには、売上アップを左右する要因を理解したうえで、施策を展開していくことが大切です。
この記事では、スーパーマーケットの店舗売上の向上を目指す担当者に向けて、売上アップのためのポイントを解説します。売上を分析する際に活用できる指標についても解説するため、ぜひ参考にしてください
目次[非表示]
- 1.店舗の売上を決定する要素
- 2.スーパーマーケットの店舗売上を分析するための指標
- 3.店舗の売上分析するための方法
- 4.店舗の売上を向上させるためのポイント
- 4.1.客単価をアップさせる
- 4.2.商品の単価を改善する
- 4.3.新規顧客を獲得する
- 4.4.顧客の流出を防止する
- 5.スーパーマーケットの店舗売上をアップさせるためにできること
- 5.1.品ぞろえの拡充と見直し
- 5.2.商品配置の工夫する
- 5.3.接客の質を向上させる
- 6.スーパーマーケットで店舗の売上をアップさせた事例
- 7.まとめ
店舗の売上を決定する要素
スーパーマーケットの売上は、「購入客数×客単価」によって決まります。購入客数とは、単にスーパーマーケットを訪れた顧客の人数ではなく、商品を購入した人数です。客単価とは、顧客1人あたりの平均的な購入金額を表しています。一般的に直近1年のデータをもとに算出するケースがほとんどです。
スーパーマーケットの店舗売上を分析するための指標
スーパーマーケットの店舗売上を分析するために、さまざまな指標がありますが、ここでは、代表的な各指標について解説します。
購入率
購入率とは、スーパーマーケットの店舗に来店した顧客のうち何割が商品を購入したか表す指標です。商品を購入した顧客と購入しなかった顧客の間にどのような差があり、購入してもらうには何が必要なのか考えるために役立ちます。購入率を意識し、多くの顧客が商品を手に取りやすくする施策を取り入れれば、より多くの顧客に商品を購入してもらえます。
購入客数
購入客数とは、スーパーマーケットの店舗を訪れて実際に商品を購入した顧客数です。いくら来店客数が増えても、購入客数が増えなければ売上アップは見込めません。購入客数を増やすには、顧客にとって魅力的な商品が並ぶ店舗を作る必要があります。商品の配置を工夫したり、商品の関連性を意識したPRを行ったりしましょう。
平均客単価
平均客単価は、顧客1人が1回の買い物で購入する金額の平均です。客単価が高くなると、たとえ購入客数を増やせなくても売上はアップします。平均客単価を上げるためには、1人の顧客にまとめて複数の商品を買ってもらう必要があります。新商品を扱ったり、それらを目立つ場所に配置し、関連商品を近くに陳列させることなどもひとつの方法です。
店舗の売上分析するための方法
店舗の売上分析にはさまざまな方法があります。具体的な方法について解説します。
ABC分析
ABC分析とは、店舗の販売数や売上金額を抽出して売上の構成比を算出する方法です。売上をもとにし、構成比が高い商品から順にA、B、Cのグループに分類します。重要度や優先度を決めることで、それぞれのグループを最適化し、在庫管理や品質管理を理想的に行うことが可能になります。売上に貢献している商品グループを重視して施策を打つことで、店舗全体の売上アップを目指しやすくなります。
RFM分析
RFM分析は、顧客の属性をもとに分析する方法です。Recency frequency monetary analysisの頭文字を取り、RFM分析と表現されています。
・最近購入した顧客
・頻繁に購入する顧客
・最も多く購入している顧客
それぞれ抽出し、5段階評価を行います。これら3つの指標を高いスコアで満たす顧客は優良顧客だと見極めることができます。どうすれば顧客が高いスコアを満たすことになるかを考えることができ、売上向上のための施策を生み出すことが可能になります。
店舗の売上を向上させるためのポイント
スーパーマーケットの店舗の売上を向上させるためのポイントを、具体的に解説します。
客単価をアップさせる
売上アップのためには、客単価を高める必要があります。客単価がアップすれば、たとえ集客数が減少しても売上の維持が可能です。
スーパーマーケットでは、1度の買い物で複数の商品をまとめて買う人がほとんどです。関連商品をまとめて陳列するなど、買い物の際につい手に取りたくなるような工夫をしておけば、客単価をアップさせやすくなります。
商品の単価を改善する
売上アップのためには、商品の単価も見直すべきです。ただし、単に値上げを検討するのではなく、相場や質も考慮して総合的に判断する必要があります。
値下げにより売れる個数が増えそうな商品は、価格を下げたほうがいいケースもあります。値下げした結果、より多くの人が商品を購入するために来店し、他の利益率の高い商品も合わせて購入するようになれば、全体の売上も向上するでしょう。
新規顧客を獲得する
顧客数が増えれば、客単価を上げられなくても売上は高くなります。売上は「顧客数×客単価」によって決まるため、客単価が小さくても顧客数が増えれば売上アップにつながる可能性があるからです。
よって、新規顧客の獲得により全体の売上向上を目指すのもひとつの方法です。新規顧客を獲得するには、商圏をよく分析し、そこに住む層に響く販促方法や打ち出し方などを、従来の方法にとらわれずにアプローチする必要があります。
たとえば、単身者が多いエリアであれば、1パックの量を減らした商品を拡充させ、夕方ではなく夜に商品を充実させるなどの対応になるはずです。
顧客の流出を防止する
新規顧客を獲得できても、来店が1度きりであればその後の売上向上にはつながりません。売上を安定的に伸ばすには、新規顧客に再び来店してもらう必要があります。そのためには、初めて店舗を訪れた顧客に「またこの店で買い物をしたい」と思ってもらうことが大切です。たとえばクーポンを発行するような、実利的なものもあれば、接客が大変優れているなどの感情面もあるでしょう。両面からからまた来店したいと思ってもらえるお店作りを意識する必要があります。
スーパーマーケットの店舗売上をアップさせるためにできること
スーパーマーケットの店舗の売上を向上させるには、何をすればいいのでしょうか。できることを具体的に解説します。
品ぞろえの拡充と見直し
スーパーマーケットの売上を伸ばすためには店舗の品ぞろえを確認し、拡充や見直しを行いましょう。需要予測や販売データの分析を通じて、季節や曜日による変動や人気商品を把握し、顧客のニーズにこたえられるようにします。
また、地元で直接仕入れた商品は鮮度も高く、積極的に仕入れると顧客から喜ばれます。手にとってもらえる可能性も高いです。同じ商品のジャンルの中で商品のグレードを比較し、取捨選択しながら最適な品ぞろえを実現しましょう。
商品配置の工夫する
顧客に多くの商品を手にとってもらうには、商品配置にも工夫が必要です。たとえば、売れ筋の商品をあえて少し奥に置くと、顧客の滞在時間が長くなります。レジの前につい手に取りたくなるようなついで買いを誘うような商品を置けば、会計を待っている間に購入を検討してもらえるでしょう。また、売れ筋商品や季節商品を目立つ場所に配置し、関連商品を近くに陳列することも効果的です。目を引くポップを作成したり、陳列の雰囲気を変えることも新鮮な売場維持のために大切です。
接客の質を向上させる
顧客に何度も店舗を訪れてもらうには、商品にこだわるだけでなく、接客の質も向上させる必要があります。マニュアルの整備や研修の実施により、すべてのスタッフが質の高い接客を実現できるよう指導しましょう。接客の質が向上すれば顧客が気持ちよく買い物しやすくなり、また来たいという気持ちをもちやすくなります。
スーパーマーケットで店舗の売上をアップさせた事例
スーパーマーケットで売上を向上させた事例は複数あります。事例を紹介します。
コンセプトを転換して売上をアップさせた事例
あるスーパーマーケットの担当者は、以前は価格を下げるだけで商品が売れたものの、現在ではそのやり方が通用しなくなったと感じていました。
そこで、同じカテゴリーの中でも扱う商品数を増やし、複数のグレードの中から商品を選べるようにしました。食べ比べの試食も実施しています。顧客は自分の予算や希望に応じて商品を選べるようになっています。その結果、安さを売りにしなくても店舗の売上がアップしました。
カメラの映像を分析して売上をアップさせた事例
あるスーパーマーケットでは、店内に設置したカメラの画像を解析できるアプリを活用して売上をアップさせました。解析した画像を確認して顧客が最初に向かう場所や売り場の人口密度などを分析しています。分析結果をもとに商品棚や導線設計を最適化したところ、来店者数、回遊率、売上のすべてを向上できました。
まとめ
スーパーマーケットの店舗の売上を向上させるには、客単価の向上や新規顧客の獲得などさまざまなことを意識する必要があります。店舗の現状を把握し、戦略を練って売上アップを目指しましょう。
せっかくの戦略を店頭で確実に実行し、意図通りの店舗運営を実現するには、指示を理解しやすく実行しやすい環境を整えることが必要です。
株式会社ネクスウェイでは、チェーンストア企業向けのコミュニケーションツールを提供することで、戦略が実行される店舗作りに貢献しています。店舗の業務効率化などのご相談がございましたらお気軽にご連絡ください。