ITツールの導入から活用定着を成功させるコツ
皆さまこんにちは。販売支援事業部でカスタマーサクセスを担当している大沼です。
店舗maticや売場ノートのカスタマーサクセス活動を通して、小売業の皆さまの業務効率化のご支援をいたしております。
近ごろ小売業界でも「DX」がキーワードとなっているなか、ITツールの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
実際に、私が担当させていただいているお客様の中でも、新たにDXに特化した部署を新設された企業が多く、改めてITツールの最適な運用についてご相談を受けることが増えてきました。
今回はそんな皆さまに、ITツールの導入から活用定着におけるポイントとコツを、カスタマーサクセス目線でご紹介できればと思います。
今まさに導入を検討している方や、今すぐではないけれど将来的に導入をしたいと考えていらっしゃる方に、少しでも参考になりますと幸いです。
ネクスウェイのカスタマーサクセスについて知りたい方はこちらより資料をダウンロードいただけます。
目次
ITツール導入の流れ
STEP.1 ツール導入の体制づくり
STEP.2 利用機能の選定、環境設定
STEP.3 本稼働~活用定着
成功のポイント
プロジェクトチームへの、各役割ごとの担当者アサイン
導入目的の共有
利用ツールの棲み分けの明確化
さいごに
ITツール導入ははじめが肝心!
▼ITツール導入の流れ
ITツールの導入を成功させるために、まずはツール導入における簡単なプロセスについて理解しておきましょう。
STEP.1 ツール導入の体制づくり
新しいITツールの導入が決まったら、まずはプロジェクトチームを立ち上げましょう。
具体的な要件定義や運用を検討する上で必要なメンバーをアサインします。
STEP.2 利用機能の選定、環境設定
これから導入するITツールの、どの機能をどの業務に使っていくか、その場合の運用をどうするかなどを検討した上で、実際の利用環境の設定を行っていきます。
STEP.3 本稼働~活用定着
利用環境や運用体制が整ったら、いよいよ本稼働です。
利用者への操作説明を実施したり、稼働後の活用定着施策として利用状況のレポーティング等を行っていきます。
▼ツール導入を成功させるポイント
ここまでITツールの導入の流れをざっくりとご説明しましたが、その中でもツール導入を成功させるために特に重要なポイントを3つ紹介させていただきます。
ポイント1.プロジェクトチームへの、各役割ごとの担当者アサイン
導入の流れの説明の中で「プロジェクトチームを立ち上げる」ことをご紹介しましたが、
下記のような役割を意識してチーム作りができると、ツール導入をスムーズに進められます。
・プロジェクトリーダー
導入プロジェクトのリーダーです。スケジュール調整や課題管理、各種機能設定の検討や各担当者への指示など、導入プロジェクト全体の取りまとめと推進を担当します。
・プロジェクト責任者
基本的にはプロジェクトリーダーが主となり導入を推進していきますが、プロジェクトリーダーでは判断しきれない重要課題などが発生した場合に最終の意思決定を行う方です。
プロジェクトリーダーの上長にあたる方が担当されることが多いです。
・業務検討担当
ITツールへの移行を予定している業務について、より詳しい方に担当いただきます。
ポイントでプロジェクトに参加してもらい(特に機能選定など)、プロジェクトリーダーと一緒に具体的な運用などを検討していきます。
・インフラ・環境設定担当
利用環境設定において、セキュリティ・ネットワーク設定を検討したり、必要端末の準備等を行う方です。
システム部の方が担当されることが多いです。
このように、各役割にそれぞれの分野に詳しい担当者をアサインすることで、運用開始時の“ズレ”などを防ぎつつ、検討やタスクの進行をスムーズに行うことができます。各役割にはもちろん兼任もあっても良いのですが、一番避けたいのはこのツール導入が「担当者1名のワンマンプロジェクト」になることです。
ITツールの導入というものは、これまでやってきた業務のやり方を大きく変えることになるため、思っている以上に検討すべきこと、やるべきことが多いです。私が担当させていただいたお客様の中には、もちろん1名でツール導入を成功された方もいらっしゃいますが、担当者が他業務と並行で導入プロジェクトを推進する場合は、他業務との兼ね合いで思う様に検討を進められない、という事態になることも。
そのためネクスウェイでは、導入プロジェクトは複数名で進めていただくことを推奨しております。
ポイント2.導入目的の共有
導入プロジェクトチームのメンバー内はもちろん、現場へ運用を落とし込む際にも、どういった目的や背景、理由でこのITツールを導入するのかを、現場のユーザーの皆さまへ共有することは非常に重要だと考えています。
このツール導入の重要性を伝えられないまま運用を開始してしまうと、「新しいツールを使った方が絶対に便利になる!」と一目瞭然な業務でさえ、上手くツール移行ができず、従来ツールと新しいツールとの二重運用になってしまうなんてことも。
実際に利用する現場のユーザーの方々は、ITツールが得意な方ばかりではありません。どうしても新しいツールを利用すること自体にハードルを感じてしまったり、勝手が分かっている従来のやり方の方がやりやすいと感じてしまったりする方も少なくないのです。
そのため、現場ユーザーの皆さまには基本的な操作・運用方法をレクチャーすることはもちろん、併せて、ITツール導入を通じて会社として目指す姿・達成したいことを共有することが重要です。そうすることで、現場ユーザーの皆さまにも“我がごと感”をもっていただき、積極的に新しいツールを使っていただくことへの後押しとなります。
ポイント3.利用ツールの棲み分けの明確化
特に複数の機能・用途を備えているツールを導入する場合、使う機能と使わない機能、移行する業務と移行しない業務、などが出てくる場合があるかと思います。
その場合、複数ツールを組み合わせて業務を行うことになるので、具体的にどの業務が新ツールに移行し、どの業務が従来ツールのままになるのか、現場ユーザーの皆さまへ明確に落とし込む必要があります。
ここをふわっとさせたまま運用を開始してしまうと、現場で判断できない場合に従来のやり方を継続してしまい、うまく移行が進まない、といったことが起きかねません。そのため、実際の業務名や利用シーンなどの事例を交えながら、現場ユーザーの皆さまにも伝わりやすいように慎重に落とし込みましょう。
また、ツール導入後も活用がしっかり定着するまでは、これらの運用ルールが守られているかをプロジェクトリーダー中心に定点観測することを推奨しております。
▼参考:店舗matic導入時に提示している「ツールの棲み分け」一例
さいごに:ITツール導入ははじめが肝心
ポイント1にも書いたように、ITツールの導入はこれまでの業務のやり方を大きく変える=社内の常識が変わる、大きな変革となる取り組みです。
導入担当者だけでなく、現場ユーザーの皆さまがしっかりと理解し、実際の業務で使ってくれるようになってこそ、この導入プロジェクトは成功と言えるようになります。
また、ITツールの導入というのは変革の始まりでしかなく、その後も正しい運用で正しく使い続けていただくことでその成果を発揮します。
そのためには、導入初期段階でいかに正しい運用を落とし込むか、いかに現場ユーザーの皆さまに使いこなしていただくか=慣れていただくかが重要となります。
カスタマーサクセス界ではよく「鉄は熱いうちに打て」という言葉が多用されます。ツール導入の初期段階でうまく運用に乗せられず、なあなあな運用のまま過ぎてしまうと、逆に現場ユーザーはその状態に慣れてしまい、なかなか軌道修正が難しくなってきます。
軌道修正するにはツール導入時と同じくらいのパワーが必要となってきます。
検討すべきこと、やるべきことが多く大変な一大プロジェクトになるかと思いますが、従業員の働き方を大きく変え、会社全体の仕組みを根本的に変えるのがITツールの導入です。その分、もたらす成果は計り知れません。
この成果を最大化するためには、ツール導入のタイミングこそ、パワーのかけどころですので、上記でご紹介させていただいたポイントなどを参考にしつつ、進めていただけますと幸いです。
また、これらのプロジェクトを全て自製するのはなかなか大変かと思いますので、私のようなメーカー側のカスタマーサクセス担当やサポートを利用するのも一つの手です。
ネクスウェイでは広くコミュニケーション改善のお手伝いをさせていただいておりますので、ITツールの導入だけでなく本部店舗間のコミュニケーションなどにお悩みでしたら気兼ねなくご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。