catch-img

小売りの未来を考える<後編> 小売からサービス業への転換支援

販売支援事業部で営業を担当している内田です。前回は小売業界を就職人気上位の業界にしたいということを書いてみました。今回はさらに小売業界への未来に思いを馳せつづっています。ぜひご一読ください。


意外な部分に勝機はある!?

突然ですが、私はよく映画を観ます。
映画館ではもちろん、月額制で観ることのできるあの類のものを活用しているのですが、つい先日観ていたあるシーンに日本の小売の未来を感じたのです。

主人公の女性がスーパーの従業員に向かって、

「一人で食べるわけじゃないのよ!今日はねお友達がたくさんきてホームパーティーをするの。たくさんくるのよ。だからたくさんのお肉が必要なの。」こんなことを話しながら、聞き手となる精肉担当の従業員が量り売りで大量のお肉を用意するシーン。

会話はさておいて、この量り売りという販売方法。

欧米では当たり前の光景ですが、日本ではほぼ見かけません。むしろ昔は当たり前でしたが今はほぼ見ないと言った方が適切でしょうか。

時代劇等で出てくる江戸時代の商人等は量り売りが基本でした。

ところが、昨年こんな動きがありました。

  ゴミを出さない!国内初、量り売り食品スーパーの斬新なビジネスモデルとは _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】 2021年7月、京都・神宮丸太町に誕生した食品スーパー、斗々屋(京都府/梅田温子社長)。商品を個別包装せず、お客が持参する空き瓶や容器などに詰めて持ち帰る国内初 _ ゴミを出さない!国内初、量り売り食品スーパーの斬新なビジネスモデルとは _ 小売・流通業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 小売・流通業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン

いわゆるゼロ・ウェイスト。口々にSDGsが叫ばれる今、ゴミを極力少なくする動きが出てきています。本事例はお客様が持参した容器に量り売りで商品を提供することで、包材やフードロスを減らし、あくまでも「ゴミを出さない」ことがメインの目的となっていますが、利益を増やす施策として捉えることもできます。ゴミ=廃棄ロスもまた、食品スーパーの利益を圧迫する直接的要因となるからです。

また、好きな量だけ購入できるというのは消費者目線でも大変な魅力です。

全国で食品スーパーが軒並み発展した1960〜70年代。時代は高度経済成長真っ只中。その時代から4、50年経過し家族構成も一気に二世帯・三世帯から核家族化へ変化しました。世帯構成が核家族化しただけにとどまらず高齢単身世帯も増えています。

世帯構成やそれぞれの生活スタイルにあった商品の提供の変化は、無理のない範囲で必要不可欠です。

ここに他社との差別化を図る勝機があるのではないでしょうか。

あのスーパーは好きな量だけ買える!選べる!ならそっちに行こう。小売業を薄利多売へと加速させる過激すぎる価格競争に、価格ではなく価値の提供で勝てるチャンスではないでしょうか。ただ「売る」のではなく、その時々の用途やシーンに合わせて提案して購入いただく、ここまでできればサービスの提供とも言えると考えます。

小売業からサービス業への転換といっても過言ではないのではないかもしれません。

小売はモノの対価としてお金をいただきますが、サービス業はサービスという形のないものに対してお金をいただきます。モノの対価であれば近隣競合店舗との競争が発生し、前編で書いたように安さの追求に帰着しがちです。ですがサービスの対価となればどうでしょうか。そもそもそういった取り組み自体が少ないため、競合も少なく、さらにモノに付加価値を付けられるという点で利益を得やすいのではないでしょうか。

言葉を選ばず言えば、単なるモノ売りからお客様に求められるサービスを上乗せして販売するサービス業へと転換する選択肢があってもいいのではないでしょうか。

そして、前回同様の問いをここでも学生さんにしてみたいのです。

「小売業からサービス業へ変わったこの業界に入りたいですか?」


内田拓
内田拓
株式会社ネクスウェイ 販売支援事業部。2015年にNXW入社。以前はホームセンターに勤務。現場で従事していた経験を活かし、現在は『売場ウォッチ/店舗matic』などの営業担当としてチェーンストア企業への現場目線での提案に努めている。週末は自ら設立した軟式野球チームの選手兼任GM監督して活動にいそしむ。

人気ダウンロード資料

10社の事例
本部店舗間のコミュニケーション改善事例を10社分まとめて無料ダウンロード
本部店舗間コミュニケーション診断
3分で本部店舗間コミュニケーションの課題タイプを診断!解決ポイントがわかります

人気記事ランキング

タグ一覧