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小売の未来を考える<前編> 学生が就きたい業界の上位に押し上げたい

販売支援事業部で営業を担当している内田です。小売業界への思いを書いてみました、ぜひご一読ください。


プロローグ

ふと思い立った時に立ち寄るコンビニ、コロナ禍で利用することの増えたスーパー、年末の大掃除のために利用された方も多いであろうホームセンター。

世の中にはたくさんの量販店・チェーンストアが溢れています。これを読んでくださっている皆さまの中にも、月に1度と言わず週に1度はお気に入りのチェーンストアをご利用されている方も多いのではないでしょうか。


そんな私も日々チェーンストアを利用する消費者の一人ですが、10年前は、とあるホームセンターの従業員でした。店舗で家の水道管補修の相談に応じたり、時として1袋25キロもあるセメントを一つひとつ手作業で売り場に積んだりすることもありました。しかし人生の巡りあわせとは面白いもので、今ではその量販店やチェーンストアに提案する会社の従業員となっています。そんな今、私には夢があります。


「学生が就きたい業界の人気ランキング上位にランクインしたい」

私の夢とは、「学生が就きたい業界の人気ランキング上位にランクインするこれを小売業の皆さまに伴走しながら実現させたいです。


きっかけから10年後、やっとでてきた変化

最初に今の学生さんに問うてみたいことがあります。

『今小売業界に就職したいですか?』

話を10年ほど前に戻します。社会人1年目の私は年末勤務時の休憩中、地元の友人から「今年はいつ地元に帰ってくるの?」とLINEをもらい(帰れないんだよなー小売業は)こんなことを思っていました。正直、他業界で働く友人より初任給が多いとは言えなかった私。同時にふと、こんな考えも浮かびました。

「多くの人が休日に入る中、せっせと働く小売業の従事者。もっと給料を貰ってもいいんじゃないか?」

まだ1年も社会に出てない人間の頭によぎった愚痴のような言葉。ですがある意味真意をついているのではないでしょうか。もちろん人気の職種、業界は給与で決まるわけではありませんが、ある意味一番わかりやすい基準だと思うのです。結局特に何もできないまま、転職をしてしまいましたが、それから10年後の今、こんなニュースが飛び込んできました。


衣料品チェーン大手のユニクロが給与を最大40%引き上げ、大卒新入社員の月給は25万5千円から30万円に約18%アップするというではないですか。

  ユニクロ、国内従業員の給与を最大40%引き上げへ - BBCニュース 衣料品チェーンのユニクロを運営するファーストリテイリングは11日、日本国内の従業員の給与を最大40%引き上げると発表した。 BBCニュース


もちろん昨今の物価高を意識してというのは大前提だと思いますが、もっと先を見据えた動きのようにも見えます。業種問わず大手企業が賃上げを検討している中で、先駆けて小売業であるユニクロが賃上げを行ったことはこの業界にとって大きな意義があると考えています。


今の学生が企業に求めるものは変わってきているのか?

「簡単に賃金上げるなんてユニクロみたいな大手だけができることじゃないか」のような諦めの声や、「賃金を上げたところで若い人材や学生が集まるわけではない」そんな声も実際に聞こえてきそうですが、果たして本当にそうなのでしょうか。

今後の日本の社会を担う若い働き手に入社してもらうことは必要不可欠ということは、小売業の皆様も実感しておられると思います。ですが、『最近の学生はあまりガツガツしてない。給与よりも自分の時間が必要でしょ。』そう思っていませんか? 少なくとも私はそう思っていました。ですが、蓋を開けてみると意外とそうでもないようなのです。

企業を選択するポイント

※上記グラフの出典はこちらのページです。

グラフから読み解くと、むしろ給料の良い会社を求める学生の割合はここ2〜3年、増加傾向にあります。安定志向の割合も増加しているので、「安定して=ある程度は給与も受け取れる」ということも企業を選択するポイントになってきているのかもしれません。

このことからも、今後未来ある学生に小売業に魅力を感じてもらうためには、やはり給与の底上げが急務であると言えるでしょう。企業側にとっても優秀な学生の確保=将来的な安定性のある企業に繋がることは明確です。

ここからは、今の小売りの現状を見てみましょう。


原因から見える思考の転換

年収、給与が低いと言われる小売業。具体的に理由は2つあるかと考えます。

1、人件費がかかる

2、利益率の低い事業モデル

給与が安いと先述したにも関わらず、人件費がかかるとは矛盾していると思われるかもしれませんが、何も一人当たりの給与が高いだけが人件費の増加に繋がるわけではありません。人手の単純な多さ、労働時間の多さが必然的に人件費を上げる要素となることは明白でしょう。

そして、他社との激しすぎる価格競争による薄利多売の結果もたらされる利益率の低さ。

結論から言うと、この2点を根本的に変えることで小売業へ明るい未来が訪れるのではと大いに期待しています。

ではどうするべきなのでしょうか?


一言で言えば、人手をかけず利益を多く生めばいいのです。

『簡単に言うなよ、何を当たり前のことを。そんなことやれたらとっくにやっているわ!』という声が罵詈雑言のごとく飛んできそうですが、本当にそうでしょうか。

小売業の方に提案する際に、よくこんなことを耳にします。

『やっぱり競合店との価格競争はあるからね...なるべく安く売らなきゃね...』

『値引きシールってなんとなく何時に貼るって決めて指示出してるけど、結構早く売り切れたり売れ残ったりする日もあってバラバラなんだよね...』

『毎日巡店・臨店で結構マネージャー、SVにも負担かかってるよね。単純に人数を増やすこともできないしさ...』

何気なく行っている日々の業務は本当に利益に繋がっていると言えるでしょうか。必要以上に売値を下げてしまっていたり、負担が大きすぎたり、利益を圧迫している要素は少なくないのではないかと思います。


無人店舗に見る未来

  無人店舗とは何?小売業界の未来になれるのか - VTIジャパン・ベトナムオフショア開発会社 新型コロナウイルス2019(COVID-19)の感染症拡大はリテールの業界における技術革命の目印になっている。 2020年を振り返って、色々な企業は実店舗からオンラインベースのトランザクションに大幅に移行した。このような背景では、無人店舗というソリューションはそれの効率性が証明された。 無人店舗とは? 無人店舗とは店内に従業員がいなく、キャッシュレス決済を使用する店舗である。無人店舗は、自動化されたコンビニと異なり、スマートフォン関連の技術とAIを活用することにより、伝統的な店舗が持つ特徴を取り除いたものである。 無人店舗の歴史はまだ浅く、2016年に1号店を開店した中国の「Bingo Box」が始まりといわれている。また、アメリカでも2018年1月にシアトルでアマゾン・ドット・コムが開店した「Amazon Go」の1号店が皮切りとなり、無人店舗は特に中国とアメリカで普及し始めている。日本では無人店舗はまだ多くないが、実証実験はコンビニエンスストア業界をはじめとして、数多く実現されていた。 無人店舗は3つのタイプ ジャストウォークアウトコンセプト(just-walk-out) 「ジャストウォークアウト」キャッシャーレステクノロジーを備えた無人店舗コンセプトです。最も知られるジャストウォークアウトテクノロジーは、Amazonの「AmazonGo」です。「ジャストウォークアウト」システムは、コンピュータービジョンカメラ、センサー、ディープラーニングなどのテクノロジーを使用し、出し入れする商品やお店での顧客の行動を検出し、仮想カートで選択されたアイテムを追跡します。現在AmazonGoはすでに米国と英国で約30店舗を運営しています。 店舗のハードウェア要件により規模の経済を達成することが困難になるため、ウォークアウトの概念の1つの課題はテクノロジーのコストが高いことです。 自販機コンビニ (Stores with vending machines)   日本で、自動販売機も新たなトレンドです。自販機コンビニとは、飲料品以外にも、食品や日用品などの幅広い商品を販売する自動販売機のことです。 ただ一般的な自動販売機と比べると設置台数はまだ少ないため、使ったことがない方も多いかもしれません セルフチェックアウトストア 現在、Scan&Goスマートフォンアプリまたはセルフチェックアウト端末を介して、セルフチェックアウトを備えた無人の24時間年中無休の店舗の人気が高まっています。 利点は、ハードウェアとテクノロジーのコストが比較的低いことです。 無人店舗のメリット 省人化して店舗運営ができること。 コンビニエンスストアを例にとると、商品の補充や陳列には人員を要するが、会計を行うレジスタッフは不要となるため、人手不足解消の大きな一助になるといえる。 来店客の行動データを業務改善に活用できる 無人店舗では来店客の行動データをシステムで取得できるので、リアルタイムの購買行動が可視化できます。システムにより、手に取ったけれど商品棚に戻した商品情報の取得も可能です。そのため店舗は来店客が「なぜ購入したか」だけでなく、「なぜ購入しなかったか」までも分析できるようになります。 より効果的な店舗運営を行っていくこと。 対応しているシステムであれば、入店時の認証システムを利用することによって、顧客を特定し、店内でどのような行動をとって、何を購入したかなどのデータを正確に把握できるので、補充する商品発注のタイミングや、来店した顧客に合わせた店内のデジタルサイネージの表示内容の最適化するなど。 例えば、無人店舗となった時間帯には、スマートフォンのアプリや近隣の住民に配られたお得意様入店カードによるQRコード確認か顔撮影での入店管理がなされる。防犯対策のため、店舗入り口にある端末にQRコードなどを読み取らせることによって自動ドアのロックが解除されるという仕組みだ。 商品購入時の決済はスマートフォンのアプリを使った「スマホレジ」か、セルフレジによって行われる。電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済だけでなく、現金での支払いにも対応している。 無人店舗の未来 人材不足解消に有効と考えられる無人店舗ですが、コンピューターを介したシステムであるため、停電や機器の誤作動といったトラブルの可能性は否定できません。また、システムの穴をついた犯罪も起こり得るでしょう。実際、米国では無人店舗で万引きを成功させた動画が投稿され、拡散したケースもあります。 また、無人店舗を開店・運営するためにかかる「コスト」も課題と言えます。アプリや端末の導入、カメラの設置、決済システムの利用料など、無人店舗運営には様々なコストが発生します。この点については、今後参入企業が増えていくことで低価格化していくことが期待されます。 要約すると、ショッピングの未来には、デジタルの革新的なソリューションを幅広く適用される。ソーシャルメディア、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、クラウドテクノロジー、バーチャルリアリティ、ロボット工学の需要と使用の増加に伴い、消費者のショッピング体験は将来大きく関与する。無人店舗の運営者は、いつでもどこでも、摩擦のない日常のニーズに合わせて製品を購入するよう顧客に提供できる。 デジタルテクノロジーにより、さまざまな店舗コンセプトが顧客の需要に最適に対応し、店舗を経済的に運営できるようになるだろう。 VTIの無人店舗のケーススタディ VTIは、小売業界に関するノウハウおよび経験が豊かな人的資源を誇り、手頃な価格でも優れた小売向けのワンストップソリューションのRetail Xをご提供いたします。その中で、無人店舗も体表的な活用事例となります。我々の無人店舗のケーススタディについて、こちらへアクセスください。     VTIジャパン・ベトナムオフショア開発会社


利益を上げて、人件費を下げるには具体的にどうしたらいいのでしょうか。私は無人店舗が新しい手段の一つではないかと考えます。何も5,000坪を超える広い店舗でいきなり省力化を謳って人員を減らそうという話ではなく、大きさや規模を前提とした、無理のない範囲での無人店舗の出店です。

実際にコロナ禍での影響もあり、こうした無人店舗の出店は多くの企業で始まっています。

今の無人レジやAIカメラなどのデジタル技術を活用すれば十分に可能であり、サイズもコンビニや駅の売店レベルの大きさで土地代等も抑えられます。もちろん先に述べた人件費はかかりません。

ここ1、2年で、食品スーパーを運営する企業でも、生鮮などのある部門のみに絞ってテナント出店をするような動きをよく耳にすることもあります。利益を上げるために、土地代や人件費を抑える店舗の縮小化、無人化は一般的となってきているのでしょう。


10年後の未来、学生さんに再び問いたいこと

昨今の小売業の給与水準の低さを解消するために、解決すべき課題として「必要以上の人件費」と「薄利多売」の2点を挙げさせていただきました。

この解消こそが、利益を多く得ることができ従業員の給与水準も押し上げる大きな要素となり得るのではないでしょうか。私たちとしてもこういった部分の課題解決のため、常に現場の皆様のお声を聞きながら支援し続けたいと考えています。

本日紹介した例はごく一部の動きではありますが、この動きこそが小売業の明るい未来を切り拓き、給与水準の引き上げに繋がる一筋、いや二筋にも層にもなる大きな光となり得ると思います。これは過去小売業に身を置いた人間として切に願うことです。

チェーン展開されている小売業の店舗は我々消費者にとっては無くてはならないとても身近な存在。生活の基盤を支えてもらっているからこそ、業界として輝き続けていてほしいと思っています。

その先には、学生の憧れの業種になっている未来も決して遠くないのではないでしょうか。

10年後、この質問を学生さんに問うた時に期待する答えが返ってきてほしい。

きっと、大丈夫。

「この業界に入りたいですか?」

内田拓
内田拓
株式会社ネクスウェイ 販売支援事業部。2015年にNXW入社。以前はホームセンターに勤務。現場で従事していた経験を活かし、現在は『売場ウォッチ/店舗matic』などの営業担当としてチェーンストア企業への現場目線での提案に努めている。週末は自ら設立した軟式野球チームの選手兼任GM監督して活動にいそしむ。

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