チェーンストア運営で問い合わせ対応の効率化を目指すには?
「店舗からの問い合わせ電話がすごく多いんです」
店舗運営部に行くと、このような声をよく耳にします。「おかげでなかなか自分の仕事が進まないんですよ」と嘆かれることもありました。
店舗から本部への問い合わせが多くなるのには、2つの理由があります。ひとつは売れ筋商品について、お客様からの問い合わせが増える場合。これはお店で商品が売れている証拠ですし、喜ばしいことです。
もうひとつは、本部からの指示の内容に関する問い合わせ。「つまり、この指示は●●●ということですか?」というようなものですね。そして、多くの店舗が疑問に思って問い合わせをすると、その問い合わせの数は「殺到」レベルになります。こちらのタイプの問い合わせは避けたいものですが、実は減らすことが可能なのです。
今回は「本部への問い合わせを増やしてしまう指示」について、書きたいと思います。
“問い合わせが増える指示”2つの原因
指示に対する問い合わせが増える-これ、実は指示を出す側に問題がある場合がほとんどです。
仕事上、私達は店舗スタッフや店長の皆さんにヒアリングに行く事も多いのですが、その際よく聞くのが「本部からの指示が分かりにくい」というもの。これは言うまでもなく本部の「伝え方」が原因ですね。
もうひとつは「確定していない連絡」です。「来週からセールをやるというのに、まだ商品が決まってない、っていうこともあります。そういう場合はこちらから本部に問い合わせをしていますね」と言う店長もいらっしゃいました。セールが迫っているのに商品が決まっていなければ、不安に思って、本部に確認の連絡をするのは当然ですよね。
「分かりにくい指示」「確定していない連絡」により、同じような問い合わせが複数の店舗から本部に届いてしまう、という現象が起きます。そうすると本部はあわてて店舗に修正や追加の連絡をすることになってしまいます。
「わかりやすく」「決まった情報」を確実に!
ところが、この修正や追加の連絡が、店舗に届く情報量を更に増やします。
結果、「情報を理解する手間・混乱によるストレス」の原因になってしまうのです。
同じ案件に対して複数の異なる連絡が届くと、店舗は「何が正しい連絡なのか」混乱し分からなくなってしまいます。情報や指示を整理して時系列に把握したり、正しく理解したりするのに手間がかかってしまうわけです。
つまり、「わかりづらい指示」「確定していないのに出した指示」が原因で、
<本部では>
・店舗から届く多くの問い合わせ対応や修正連絡に追われる
<店舗では>
・混乱が起こる
・本部へ問い合わせる手間が増える
・誤解で間違った作業をしてしまう危険性がある
・確定後の内容によっては、確定前の連絡を元に一度着手した作業が無駄になるかもしれない
・本部担当者に電話しても次々と入る他店からの問い合わせにより通話中。そうこうしているうちに、やるべきことが忘れられてしまう
という、誰にとってもよくない状況が起きてしまうのです。
本部から店舗へ指示を出す前に、「わかりやすい指示」かどうか、何人かで確認する、という方法を実践しているチェーンストア様もいらっしゃいました。
店舗に「わかりやすく」「決まった情報」を送ることで、店舗からの連絡も減り、修正の連絡を出す必要もなくなります。そうすれば本部の仕事に集中でき、店舗と一緒に「良いお店」を創っていくことができるのです。
次回は「店舗から別の店舗への問い合わせ」について、書いてみたいと思います。