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【前編】店舗数を増やしても売上が伸び悩む!?出店計画を阻害する要因とは。

これまで、私たちは多くのチェーン企業が店舗数を増やして成長するところを見てきました。お客様の店舗数増加のニュースを聞くと、とても嬉しく思います。一方で「店舗数を増やしても、売り上げが伸び悩んでしまう」という場面を目にしたこともあります。その結果、その後の新規出店も計画通りに進まなくなってしまう-。

何が「出店計画を阻害する要因」になるのでしょうか? 2回に分けて、その要因に迫ってみます。


店舗数を増やしても、売り上げが上がらない!?

(言うまでもないことですが)チェーンストアは新規出店を続けることで成長していきます。それは、新店舗を増やすことにより新規マーケットを獲得して売上を上げ、仕入れ増加による更なるスケールメリットを出すことでコスト削減できるためです。そのため、成長戦略のひとつとしてM&Aも含めた出店計画を立案します。

ところが、店舗を増やしても、売上が思うように伸びない、ということが往々にして起こっています。実はこういったケースの多くでは、出店計画を実行する前に手を打っておくべき重要なことが抜け落ちていた、ということが起きています。

急成長する企業の方から「急速に店舗数が増えていくが、店舗を任せられる人員が育たない」という話をよく伺います。

店舗の増加スピードに対して、店長となる人員の戦力化が追いつかず、急場を凌ぐ措置として、多くの本部人員が支援要請を受けます。結果、出店を支える本部人員が不足し、本部一人あたりの負荷が増大。本部人員が疲弊してしまう要因となるのです。

また、本部人員が不足すると、店舗の立ち上がりに時間が掛かったり、他の店舗のフォローが手薄になったりと、さらに別の問題を招くことになります。そうなると、もちろん売上成長の鈍化やコストの増加など、経営面にも悪影響を及ぼしてしまうのです。


何が出店計画を阻んでいたのか?

では、店舗の拡大に応じて適切に人材を育成していくためには、どのようにすればよいのでしょうか?

企業が成長を続けていく時に、「今まで通りの業務・運営が通用しなくなる、店舗数の踊り場がある」とチェーン運営企業経営者から伺うことがあります。「感覚値としては30、50、100、300店舗という幅で今まで通りが通用しなくなる」そうです。
この店舗数の踊り場を早期に抜け出して、成長を継続させるために大事なことは何でしょうか?

それは「新規出店に先行または並行して、人材の育成計画を立てること」
新規出店が増加しても、店舗を任せられる人材を事前に教育しておけば、人員が不足することはありません。

さらに、「育成教育にかけるコストと時間をできるだけ少なくする」、また、「教育に時間を掛けるため、店舗を拡大する前に可能な限り店舗オペレーションを簡素化しておくこと」も重要です。

特に見落としがちなのは、バックヤードでの業務。店長は本部からの指示確認や業務報告、シフトの作成、売上管理といった業務をこなしています。しかしこれらの業務について、「なんとか慣れなさい。店長になったからこそやれる業務なのだから」という企業が多いように感じます。

しかし、それは少し間違っている、と私は考えます。店長の最大のミッションは、売り上げを上げること、そのために現場を最高の状態にすることであって、バックヤードの管理業務はその一部でしかありません。そして、それ自体はお金を生みません。
バックヤードの業務をできるだけ簡素化することで、人材育成にかけるコストと時間を少なくするだけではなく、店長を本来のミッションに集中させることができる訳ですね。

その点も含め、店舗オペレーションの簡素化は、急成長を始める前からしっかりと取り組んでおくことが望ましいでしょう。

急成長を阻む要因は、実はもうひとつ存在します。次回の後編では共通化・業務負担削減についてご説明したいと思います。

(【後編】につづく)


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