本 社 :東京都港区台場二丁目3番1号トレードピアお台場10F
設 立 :1991年10月
代表者 :藤原 信幸
事業内容 :マルチプレックス方式による映画、演劇、音楽その他各種イベントの興行、映画館に付属する各種遊戯施設、飲食店、売店などの営業等
資本金 :1億円
店舗数 :96店舗(2024年4月23日現在)
店舗
昼夜問わず大量の業務メールが発信され、タスク漏れや無駄な情報確認が頻発していた
タスク管理や情報整理の方法が属人化。作業の遂行度合いが劇場によって異なっていた
本部
作業依頼をしても劇場の足並みが揃わず、確認に時間と手間がかかっていた
店舗
本部
背景
イオンエンターテイメントでは、本部から各劇場の支配人・マネージャーへ、日々作業依頼が通達される。「店舗matic」が導入された2016年当時、同社では店舗数が増加する一方、本部・劇場間の連絡の煩雑さや確認の手間の多さが問題になっていた。
「『店舗matic』導入前は、メールや電話で本部・劇場間の連絡を行っていました。劇場でお客さまの対応をして事務所に戻ると画面いっぱいにメールが届いていたり、退勤間際に連絡が多く届いて処理に時間を要するなど、そういう日は少なくありませんでした」と、当時現場勤務だったという営業推進部 業務改革グループの吉野氏は振り返る。
あまりの連絡の多さにメールの容量が不足してしまい、それ以上メールを受け付けなくなってしまったこともあるほど。劇場を悩ませたのはそれだけではない。「メールアドレスを支配人とマネージャーで共有していたため、本部からの指示が届いた際に同じことを並行してやってしまっていたり、重要な案件が埋もれてしまっていたりというミスが頻発していました」と語るのは、営業推進部の中村氏だ。
タスク漏れが生じれば、本部側もどこの劇場が作業を完了していないのか、電話で確認する必要に駆られる。劇場側が作業を済ませても、今度は作業済みのデータを社内ネットワークの奥深くへ探しに行かなくてはならない。こうした情報確認作業は、業務全体の実に20~30%に上ったという。当然、本部も劇場も課題として認識していた。
また、タスク管理や情報整理の方法も属人化。「手帳にタスクを全て記入するスタッフもいれば、ホワイトボードに描いて管理する者もいました。タスク管理のできる/できないが、各現場に委ねられているような状況だったのです。したがって、作業依頼を遂行できる劇場もあれば漏れる劇場もあるなど、バラツキが生じていました」(吉野氏)。
選定の経緯
情報処理が課題になる中で、2016年、立ち上がったのが当時の取締役だ。
情報整理に費やす時間が業務の30%程度と大きかったため、その効率化のために情報発信・管理ツールとして勧められたのが、「店舗matic」だった。当時、中村氏が支配人を務めていた劇場が、テスト店舗として選ばれたという。
「良いシステムを今後どう継続・展開していくのか考えていくためにも、粗を探すような気持ちで検証したうえで導入を決めました」(中村氏)
8年の間に、無駄・ムラをなくそうという動きはますます加速化。現在では、劇場で発生する定型業務を巻き取る部署、営業の数値分析を行う部署、自動化を進め、ツールの導入・立案・拡大を手がける部署の3つの部署が、三位一体となって劇場の負荷を減らすよう努めている。
「店舗matic」も、その効率化の一端を担うシステムだ。
効果
イオンエンターテイメントは、「店舗matic」を本部から劇場にいる支配人・マネージャーへの業務連絡用ツールとして利用している。導入当初は、画面いっぱいに様々な形式で書かれた「お知らせ」がずらりと並んでおり、メールを乱発していた頃と状況がほとんど変わっていなかった。
その上、本部から店舗への業務連絡であるにもかかわらず「お知らせ」の内容が支離滅裂だったり、劇場の繁忙期に送られていたりと発信者によって質にバラツキがあったという。そこで行われたのが、厳密な運用ルールの徹底だ。
「『上長の承認を得てから発信する』『発信は翌日朝6:00を厳守』『タイトルを読むだけで劇場への依頼内容が伝わるよう作成する』『劇場の繁忙期は発信を避ける』といった運用マニュアルを作成しました。今までは五月雨で送られていた『お知らせ』を翌日朝に固定することで、情報確認のために残業するということがなくなりましたね。ルールを設定し、全員で閲覧できるようにしておけば、異動があっても業務連絡の標準化を実現できます」(吉野氏)
「『お知らせ』のタイトルについては、ルールを細かく決めて雛形を作成しています」と吉野氏。さらに、運用ルールでもあり機能のひとつでもある上長承認の徹底は、情報処理業務の削減以上の効果を生んでいるという。「上長が『お知らせ』の内容をチェックすることで、発信者に『より文章を要約しよう』『誤字脱字をなくそう』『要点を先に持ってこよう』という改善の意識が生まれます。細かいことではあるのですが、これが上長と発信者、双方の資料作成能力育成に役立っているのではないでしょうか」と中村氏は話す。
また、中村氏によれば、ExcelやPDFなどの添付ファイルが画面に表示されるのも、効率化に一役買っているという。「ダウンロードする手間がなくなりますから。わずか数秒ではありますが、支配人やマネージャーの負荷を少しでも削減できるのは大きいです」(中村氏)。
「『店舗matic』の導入と運用ルールの策定により、タスク漏れや情報共有のミスが大幅に改善され、無駄・ムラの削減に繋がりました。作業を完了すると、作業依頼のリストから該当する項目が消えるため、『この作業、もうやったかな』と考えなくてよいのもありがたいです」(吉野氏)
店舗maticについて詳しく知りたい方はこちらより資料を無料でダウンロードいただけます。
店舗の声
「店舗matic」の運用改善にあたり、本部側はネクスウェイ担当者と連携しつつ劇場へ綿密なヒアリングやアンケート調査を行って、現場の声を吸い上げた。
「アンケート調査では、現場の実態として『情報確認にどれくらい時間を費やしていますか』といった具体的な設問にしました。それだけでなく、劇場側からも『この項目を追加してください』と伝え、積極的にブラッシュアップを重ねていきましたね。ネクスウェイ様はこうした調査から改善点をピックアップし、分析を進めてくださいました」(吉野氏)
ネクスウェイは、導入時から数年にわたってイオンエンターテイメントと併走。「ネクスウェイ様には、『お知らせ』の出し方や作業登録の方法、アプリの使用法なども丁寧に教えていただきました。定期的に打ち合わせを行い、『こういうことをやりたい』と伝えれば他社の事例を含めてすぐにレスポンスをくださる。本当に心強いですね」と、吉野氏は笑顔を見せる。
「前述の運用ルールを策定する際にも、ネクスウェイ様から多大なアドバイスを頂きました。運用方法にはまだまだ改善の余地があります。今後も是非、ご相談させていただければありがたいです」(吉野氏)
今後の展望
「お気に入りなのはサポートに問い合わせができるチャットと、『お知らせ』の回答欄作成です。回答フォームはやれることが多い分、作りごたえがあります。理想通りの回答フォームが完成すると、本当に嬉しくなりますね」と楽しげに語る吉野氏。
現在、イオンエンターテイメントでは「店舗matic」以外に店舗マネジメントアプリ、メール、キャンパスノート、グループウェアといったツールを併用している。「劇場から本部への問い合わせはメールを使用する、共同編集するファイルはグループウェアに置くなど、明確に住み分けを行っています」と言う吉野氏。だが、「理想は本部から店舗への連絡を『店舗matic』に一本化できること」(吉野氏)だ。
「劇場からすれば、シンプルな情報伝達手段で効率的に働きたい。せっかく『店舗matic』がありますので、業務の改善を進めていきたいです。そのためにも、ネクスウェイ様には引き続きご支援いただけたら嬉しいですね。また、売場ノートや業務アプリの効果的なまとめ方、展開方法についても今後検討していけたらと考えています」(吉野氏)
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