本 社 :東京都目黒区青葉台4丁目7番7号
住友不動産青葉台ヒルズ
設 立 :2000年3月
代表者 :村井 博之
事業内容 :衣料、アクセサリーの輸出輸入業務及び小売
資本金 :8,258百万円
店舗数 :国内店舗数361店舗(2024年2月末)
店舗
本部
店舗
画面上に必要業務が期限つきで表示されるため、タスク管理がしやすくなった
「フォトレポート」機能で他店舗のVMDを確認し、自店の売り場づくりの参考にできるようになった
事務作業の効率がアップした分、本来の業務である接客・販売に時間を割けるようになった
「書庫」機能により、最新の資料やマニュアルの管理がしやすくなった
本部
背景・選定の経緯
バロックジャパンリミテッドでは、2015年にアウトレット事業部が管轄する約30店舗で「店舗matic」の導入を行った。導入前、同事業部は売価変更や返品指示をメールで通達するものの、店舗ごとに進捗のバラツキがあるという課題に悩まされていた。
当時のことを、「店舗matic」導入の旗振り役であった情報システム本部担当部長の大島氏は「『メールをチェックしていなかった』『作業を失念していた』という店舗が少なくありませんでした。また、デベロッパーのネット販売促進用の資料を店舗とFAXでやりとりしていたのですが、『FAXが届いていない』『アンケートの締め切りなのに返答がない』などの問題が続出していました。約30店舗に対して、その都度確認作業を行うのは負担が大きかったです」と振り返る。
そんな時、大島氏が目を留めたのが「店舗matic」だった。「店舗matic」の「業務効率化を図る」という一文に惹かれた大島氏は、導入を決定。当初、アウトレット事業部のみで活用されていた「店舗matic」は、2023年11月までにバロックジャパンリミテッドの全ブランドに波及していくことになる。
情報システム本部 情報システム部 部長の山根氏は、「アウトレット事業部の部長から、『「店舗matic」、いいよ。どうして入れないの?』と言われました。情報システムを管理する立場からしても、『全社一斉にシステムを変更したい』『予定を調整したい』という時に、各ブランドの担当者へメールや電話をしてようやく調整できたという苦い経験がありました」と語る。さらに、ブランドによっては独自の連絡ツールを使用しており、共有事項を全体に発信したいという時に上手くいかないケースが多々あったと述べる。
「店舗数の多いブランドほど、そういう問題を抱えていることに気がつきました。『店舗matic』を導入すれば、全社的に連絡を取れますし、どのモールでどんな施策が走っているのかExcelやメールの履歴を遡らなくても確認できるのではないか。そう考え、大規模なシステムの入れ替えプロジェクトのスタートを機に、『店舗matic』を全社へ展開しました」(山根氏)。
効果
現在、バロックジャパンリミテッドではECのみのブランドや店舗とのやりとりが発生しない部署を除く、16ブランド及び12部署で「店舗matic」を利用している。
「店舗matic」の全店導入によって、「店舗側が作業指示の内容をきちんと把握しているのか分からない」という問題は解消された。「『店舗matic』を見れば、どの店舗の誰がチェックしたか名前が記載されるため、本部の負担も軽減されました」(大島氏)
加えて山根氏によれば、明らかに店舗への電話確認の回数が減少しているという。「また、アンケートを取る際、従前はバラバラに届いていたファイルが一つにまとまって来るため、集計作業の時間も短縮されました」(山根氏)
中でもとりわけ恩恵が大きかったのが、各地域の販売を統括するエリアマネージャーだ。エリアマネージャーは、一人で複数のブランドを担当する。地域によっては、「MOUSSY」「AZUL BY MOUSSY」「rienda」など10数店舗を管轄する。そのため、ブランドごとの特性や出店先を全てインプットしておかなければならない。
だが、「店舗matic」さえ見れば各店長へ直接連絡することなく、どこにいても何が打ち出し(重点販売商品をアピールするディスプレイ)の正解なのか、事前に知ることができる。
エリアマネージャーの所属する販売統括部からは「事業部ごとに検索ができるため、店舗情報を把握しやすい」との声も上がった。
さらに、「書庫」機能も業務の効率化に役立っているという。以前はGoogle Driveにマニュアルなどのデータを格納していたため、店舗側でコピーしたデータがドライブ内に増殖。したがって、「最新の資料がどれか分からない」といった混乱が生じていた。「書庫」がGoogle Driveにとって替わり、「書庫にあるデータが最新で正しい」という認識が広まることで、欲しいデータを探す手間が省けている。
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店舗の声
カレンダーに「やらなければならないタスク」が期限つきで表示されることで、販売スタッフにとっては優先順位が明確になり、タスク管理をしやすくなった。
「これまでは、その都度メールを遡らなければなりませんでした。メールだと一人が既読をつけたら他の誰が見ているのか分からなかったのですが、そのような問題も解決しています。スケジュール機能で他店舗が何をしているかも明確になり、『モールとしてどのような施策を走らせているのか』などが分かりやすくなりました」と大島氏。
店舗で特に活用されているのが、「フォトレポート」機能だ。売り場の写真を撮影し、「フォトレポート」として「店舗matic」にアップする。そうすることで、他店舗が店頭のVMDをどう見せているのか、気軽に確認できるようになった。
大島氏いわく、「自分の店舗が売れていないときこそ、他店舗の売り場をチェックしたくなる」。売上が芳しくないと、店舗は「スタッフの試着の仕方が悪いのか」「打ち出しの方法が誤っているのではないか」と様々な試行錯誤を重ねる。その際、他店舗のVMDを写真で閲覧し、より踏み込んだ話を聞きたければ当該店舗に直接連絡をして、聴取するのだ。
「店舗は設定した通りに写真を撮影すればよいだけなので、時間をかけずに済むのがメリット。本部の方も、VMDチェックのためにLINEWORKSをいちいち遡る必要がなくなったため、確認しやすくなりました」と大島氏は微笑む。また「フォトレポート」機能に関しては、コメントでフィードバックを入れられる点にも満足しているという。
今後の展望
今後の課題としては、どのようにして全社的に「店舗matic」へ業務を一元化していくかが挙げられる。
「『LINE WORKSやスプレッドシートなど、既存のツールの方が楽だから使い続けたい』という要望もありました。しかし、『店舗matic』さえチェックしておけば、どんな指示があるのか、誰がどの程度遂行したのかが一目瞭然ですし、本部も店舗も双方が楽なのです。実際、アウトレット事業部ではそのようにしていましたから」(大島氏)
大島氏は、「やはり販売は、売り場に立って接客するのが一番の仕事。裏の業務も大切だけれども、できるだけ接客へ時間をかけられるよう環境を整備するのが情報システムの役目です。そのためのツールのひとつが、『店舗matic』なのです」と強調する。
山根氏も、「本部側としては、『店舗matic』に統一していきたい。いち早く業務を動かしたり、リアルタイムで通達したりしたいですからね。未だブランドごとに独自のルールで運用している所もあるので、徐々にではあるのですが、浸透させていくつもりです。業務アプリについても、使えるブランドから利用していこうと考えています」と話す。リアルタイムでの情報共有は、顧客へ正しいサービスを届け、信頼を維持することに繋がる――そう山根氏は締めくくった。
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